劇場公開日 1954年4月26日

「無駄な絵が一枚もない❗️」七人の侍 talismanさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 無駄な絵が一枚もない❗️

2025年10月17日
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鑑賞方法:映画館

笑える

興奮

斬新

なんという画面!キャメラで映し出される画面、映像、絵にこれっぽっちも無駄がない。無駄な表情も無駄な動きもない。目の前に繰り広げられる絵にただただ圧倒された。セリフも素晴らしい(三船敏郎は滑舌悪いのでよく聞き取れない箇所あった)。志村喬の言葉の一つ一つ聞き漏らさないようにした。加東大介の頼もしさと千秋実の「中の下」だけれど居てくれるだけで有り難い存在感にやさしい気持ちになった。絶対死なないと思っていた、精悍な顔と鋭い腕前の宮口精二に思わず声がでてしまった。まだ前髪のある木村功のなんという清らかさと誠実。花の中に寝転ぶ姿はまだ子どもの顔だ。そして菊千代(三船敏郎)が前半では出たり消えたりなのが後半になるにつれて光り輝く。小動物みたいにしなやかな肉体といたずらっぽい眼差しの子ども好きの男。左ト全が殺された時、親に死なれた赤ん坊を抱いた時、「これは俺だ」と号泣する菊千代の姿は哀しかった。

「七人の侍」を初めて見ることができた。我慢強くしたたかで感情豊か、家族と仲間と子ども達を大事にする一方で、生きて行くためには用心深く小狡く偏狭で卑屈にならざるを得ない百姓の人生。学問を修め剣や弓や乗馬の鍛錬を行い己を律する侍もいれば、弱い存在を横暴と暴力で痛めつける盗っ人野武士もいる。人間の複雑さを描き込む作品に、監督らの個性が強烈に表れていた昔の多くの邦画の豊穣さにうっとりしつつ呆然とした。
「午前十時の映画祭」ありがとう。

talisman
あんちゃんさんのコメント
2025年11月20日

コメントありがとうごさいます。「邦画の豊穣さ」は最近、私もしみじみ感じるところです。その点、「午前十時」とNHKのBSは思いがけない作品をみせてくれて嬉しいですね。「七名」ですが七を数詞として使う場合は音読みが原則なのでやはり「しちめい」だと思います。

あんちゃん
満塁本塁打さんのコメント
2025年11月10日

わたしを食い止めて ありがとうございます。ただ貴殿の1111件で ワ行は腱鞘炎になってしまうのでお許しください。ありがとうございます♪😊。

満塁本塁打
ゆきさんのコメント
2025年10月22日

こんばんは。
talismanさんも今回初鑑賞ですか!
私も同じで嬉しいです♪
私は誰も知っている人がいなかったので、何だかあの時代の様子を覗き見している感覚でした。
とりあえず凄い体験でした。

一時期話題だったあの年の差カップル。
三船敏郎さんてあの!お父さんだったんだーって今更ながら1人びっくりしていますw

ゆき
大吉さんのコメント
2025年10月21日

荒野の七人面白いですよ。
おじさん世代はだいたい荒野の七人から七人の侍へいっていると思います。

大吉
トミーさんのコメント
2025年10月21日

共感&コメントありがとうございます。
何故か今回は、勝四郎、利吉、荒野の七人に思いが巡りました。

トミー
トミーさんのコメント
2025年10月21日

結構呑気な感じの音楽が多いですが、全然ノイズに感じないですね、やはり使い方でしょうか。

トミー
♪エルトン シンさんのコメント
2025年10月20日

talismanさん レビュー1,100本以上はすごいです。
どれもが私のような薄っぺらいレビューでないので勉強させていただいています
おかげで以前観た映画のストーリーを結構忘れています
「なんでこんなレビュー書いてたんやろ」
「こんな映画観てたん?」てな感じです
「レビューにもっと責任感持てよ」て言われそうです・・・

これからもよろしくお願いします

♪エルトン シン
♪エルトン シンさんのコメント
2025年10月20日

talismanさん
コメントありがとうございました。
菊千代死んじゃったんですねえ
完全に見過ごしてました
今更ながらにショックです
もう一度、観なあかん映画と思っていたから
次、観るときは見逃さないようにします

♪エルトン シン
大吉さんのコメント
2025年10月19日

小津作品はアクションや謎解きがある訳でもないけど見入ってしまいますね。小津監督が60歳で亡くなられたって信じられないです。
何歳であんな作品作ってたんですかね。

大吉
CBさんのコメント
2025年10月18日

やっぱり劇場がいいですよね。この映画祭の価値ですね。ずっと続いてほしい‼️

CB
大吉さんのコメント
2025年10月18日

東野英治郎さんは私が子どもの頃のテレビの水戸黄門さま(初代)でした。ですから盗っ人衝撃的でした。
「用心棒」では三船敏郎さんを助ける居酒屋の店主で良い役でした。

大吉
大吉さんのコメント
2025年10月18日

コメントありがとうございました。
スローモーション、最初の盗っ人・東野英治郎さんが倒れるところと、
久蔵が真剣で決闘して相手が倒れるところだったと思います。
利吉の「おらの女房だー!」の叫びと同時に、撃たれた平八が前へ突っ伏して倒れ込むところも、印象的でしたので記憶ではスローモーションだと思ってました。
名シーンばかりですね。

大吉
NOBUさんのコメント
2025年10月18日

おはようございます。
 丁寧なご説明、ありがとうございます。流石、talismanさんだなあ。的確な分析に脱帽です。
 talismanさんは、ヨーロッパの映画に造詣が深く、又お書きになるレビューもいつも楽しみにしていますが、邦画も流石ですね。ではでは。

NOBU
NOBUさんのコメント
2025年10月17日

今晩は。お久しぶりです。
この映画、今「午前十時の映画祭」で上映しているのですね。愛知県では名古屋まで行かないと観れないんですよね。(世界のミフネの音声、しっかり聞こえましたか?)ではでは。

NOBU
ジジさんのコメント
2025年10月17日

talismanさん
共感ありがとうございます!
午前十時の映画祭でご覧になったんですね!
大画面でのラストの戦いのシーンはさぞ大迫力なのでしょうね^_^

わかります!菊千代の後半戦の魅力半端ないですよね!

ジジ
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