「古典中の古典」七人の侍 Toshiさんの映画レビュー(感想・評価)
古典中の古典
映画はもう百年以上の歴史がある。古典と呼ばれる作品があっても不思議ではない。本作もその一本。
神話的にまで昇華したストーリー(脚本)
当時にあってはギリギリまで考え尽くされた考証
熱気と冷静さが完璧に両立する演出
感嘆すべき撮影
俳優陣の豊穣な演技
ほとんど齟齬のない編集
ハリウッド的なものとは対極の早坂文雄の名スコア
これを産み出したのは本物の時代劇を作りたいという黒澤とそれに応えたスタッフと演技陣の情熱。
映画ファンなら必ず観るべき作品。
内外の映画に多大な影響を与えたが、それはリメイクのような直接的なものを指すだけではない。映画的記憶からか、意識的あるいは無意識的に多くの映画にその痕跡が見える。初見のひとは既視感を覚えるシーンが多いかも知れない。それは本作の映画的記憶から作られた作品を観ているからです。古典中の古典というのはそういうことだ。
数少ない欠点は当時の録音技術の限界か、よく云われるようにセリフが聴き取りづらいことと女性の描き方が類型的なこと。セリフはノイズを消したリニューアルバージョンが出来たから今後はそれを観られるだろう。女性の描き方は黒澤のパーソナリティからくるご愛嬌かな。
とにかく観るべし!
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