七人の侍のレビュー・感想・評価
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日本映画の最高峰!影響与えまくりの超名作!
「侍タイムスリッパー」を見てから、無性に時代劇が観たくなった。
そこで、満を持しての名作の登場です!久し振りの鑑賞でしたが、ホンっと素晴らしい。何回見ても楽しめます。
モノクロ映像で、古臭さはどうしようもないものですが、この画面からあふれでる迫力?って言えばいいんでしょうか。とにかく大興奮です。
オープニングからの音楽も最高!思いっきり、昔懐かしいって感じの音ですが、これがまた良い。もちろん、場面の途中途中で差し込まれるサントラも絶妙のタイミングで名曲揃いでした。
志村さん、三船さんを筆頭とした、今は亡き役者さん達の熱演も素晴らしい。
セリフがイマイチ聞き取れないって部分もありますが、そんなの気にならないほど、作品の中にのめり込んだ感じです。
もちろん、途中休憩が入るほど、長尺な映画ではありますが、無駄な場面が無いってほどに魅入っちゃいました。
最初のメンバー集めから、百姓たちとの交流、そして、クライマックスの戦闘シーン。 まさに世界に誇る日本映画の名作!黒澤監督の名前を世界に知らしめる1本です。
【今さらネタバレってことも無いかもしれませんが】
とにかく、クライマックスの戦闘シーンは大迫力です。 ひとり、またひとりと野武士たちがやられていく様が凄い!逃げ惑う野武士を大勢の百姓たちが追い詰めて滅多刺しにする。
それに伴い、味方も次々と命を落としていく。
最終決戦の大雨の中の戦いは特に凄い!まさに歴史に残る名場面の数々。生と死の狭間をまざまざと見せ付けられる感じがする。 ホンッと素晴らしいの一言に尽きる一本でした。
1954年、自分が生まれるはるか前の年ですが、この年には「ゴジラ」も公開されています。後の映画界に大いに影響を与えた2本の邦画が生まれた年として記念すべき年じゃないだろうか。
劇場で初鑑賞
テレビでは何度も観たことはあるが、東京国際映画祭にて初の劇場鑑賞。 3時間以上の長尺でもダレるようなところはない。 映画の要素がすべて詰まったような作品。 鑑賞後のトークセッションも、興味深い話が聞けて面白かったです。
3時間をまったく退屈させないストーリーとキャラが魅力
白黒映画なんてつまらない、15年前まではそう思っていた。しかし、高校生のとき映画の授業で観てあまりにも面白くて衝撃を受けた。以来、定期的に鑑賞している。
3時間をまったく退屈させないストーリーとキャラが魅力。話は強力な仲間を集めて悪に立ち向かうという流れでシンプル。今の少年漫画やRPGゲームでもよくある構成で古臭さを感じずとっつきやすい。
当時の百姓の扱いの酷さも描かれ可哀想に思えてくる。野武士狩りをしてた闇の部分もあり、良い所だけでなく悪い一面を見せたことでより人間らしくリアルに感じた。
特に好きなキャラは久蔵と菊千代。
久蔵は無口でクール、やることは黙って済ませるのがかっこいい。特に種子島を1人でささっと取ってくるのはシビれる。勝四郎が惚れる気持ち分かるなぁ。
菊千代は動きが面白い。ぴょんぴょん跳ねたり、奇声を上げたり、人間というよりはまるで動物のようだ。
トリッキーなキャラかと思いきや、カンカン鳴らして百姓を集めたり機転を効かせて活躍する場面もありギャップが良い。
百姓の落武者狩りがバレた時、涙ながらに百姓の気持ちを代弁するシーンは何度見ても感動する。
たまに無償に観たくなるので、これからも何度も見返すことになるだろう。5点じゃ足りない、10点をあげたい傑作。
燦然と輝く時代劇アクションであり、冒険活劇の最高傑作。
7人の侍(浪人)が、野盗と化した野武士の襲撃に悩む農民に雇われ、集落を守るべく、野武士集団との戦いに挑む姿を描く。世界で最も有名な日本映画の1つ。 劇場型の躍動感、気持ちが高ぶるストーリー、1人1人の侍たちの生き様と俳優陣の熱演、ダイナミックな戦闘シーンに満ちている。黒澤明監督ほど、画面を縦横無尽に使い尽くし、広大に見せる監督もそうはいないと感じた作品。 「チームを組んで目的を達する」というプロットが、西部劇だけでなく、世界中の映画に多大な影響を与えている。 武士と農民の葛藤、ユーモラスで人間味あふれたキャラクター、ロマンスも適切なタイミングで盛り込んでいる。機知に満ちた脚本に基づく、驚くべき冒険活劇であり、輝かしい時代劇アクションとして、最高傑作の1つだと思う。
【"勝ったのは、百姓たちだ・・。”今作は邦画が世界に大いなる影響を与えた名作である。だが、叱られることを重々承知の上で、以前から思っている事を、ドキドキしながら記す。怒っちゃ嫌よ。】
■作品内容については、これだけの名作であるので敢えて割愛する。 ご存じの通り今作は米国で2作がリメイク制作されている。 「荒野の七人」は配信で鑑賞し、その後アントン・フークア監督により制作された「マグニフィセント・セブン」は劇場で鑑賞した。 とても、面白かったモノである。 <感想というか、率直な意見。・・重ねて記すが、怒っちゃ嫌よ。> ・今作は、少し前に「午前十時の映画祭」映画祭で鑑賞した。とても面白かったのであるが、フラストレーションも感じたモノである。 フラストレーションの理由は、キッパリ書くが特に<休憩>の前の、名優揃いの役者陣の一部の台詞が聞き取りずらいのである。と言うか、何を言っているのか分からない部分も有った。 因みに、劇場で観た際には、私は40歳になったばかりで、且つ会社での健康診断での聴力検査は、全く問題なしで有った。 普段から、ブリティッシュ・ロックをハイハイボリュームで車内で聴いていたにも関わらず。 ・志村喬さんが演じた勘兵衛の台詞は良く聞こえた。落ち着き払った言動や、野武士たちからの襲撃を恐れ、助けを求めて来つつ、一部の百姓が逃げようとした際の、毅然とした良く響く台詞は、沁みたモノである。 ・だが、今作の主役の一人である菊千代を演じた世界の三船敏郎氏の台詞が、役柄もあるのかもしれないが、良く聴きとれないのである。 場合によっては仕草から、類推したモノである。 ■勿論、最後半の激しい雨中での戦闘シーンは、白眉である。このシーンには台詞は要らない。斃れゆく剣の求道者、宮口精二演じる久蔵の姿。 七人の侍たちが、農民の為に命を懸けて戦う姿は名シーンである。 ■で、久方ぶりに配信で鑑賞した。フルボリュームで。 だが、多くの台詞が聞き取れない。自然音と同時に録音していたのだろうか、聞き取れない。 そして、思ったのである。今作が、海外でも高い評価を得たのは、内容のハイレベルな事は当たり前としても、【字幕で】上映されたからではないだろうか、と言う事である。 <私が記載した事が的外れな事であれば大変申し訳ない限りである。だが、私はこの作品の内容を貶しているわけではない。逆にキチンとこの名作を細部まで理解し堪能したいのである。 出来得ればの話だが、この作品を最近多い日本語字幕付きで、何処かの配信会社で上映してはくれないだろうか。 私は、この名作をクリアーな音声で観たいのである。切なる願いである。>
難しいのかと思っていた
黒澤明って難しいのかと思っていたら、すごくわかりやすいストーリーで特に後半はのめり込んで観ることができた。 菊千代の最後に泣いちゃいました。 お百姓さんたちの声を合わせて歌って田植えをする様子を眺めながら、最後に勝ったのは百勝だというセリフに侍の孤独感があってジーンと来ました。 こんなこと言ったら怒られそうですが、欲を言えば日本語字幕があったらいいなと思ってしまった。声が聞き取れないところがチラホラあってちょっと話に追いつけないところがあったので。
生まれる前の映画か・・・
面白いにつきる。 豪華俳優陣でさらに盛り上がる。 確かに長いが休憩もちゃんと入ってる!? 荒野の7人を観たとき、ユル・ブリンナーがこの映画のストーリーを気に入りアメリカ版の西部劇に仕立て上げたと聞いた。 自分は先に荒野の7人を見ていたので大まかなストーリーはわかっていたがそれでも見応え十分で面白かった。 特に志村喬の演技が光っていた。 ラストシーンは荒野の7人とは違っていて菊千代は村に残る物と思っていたら最後は描かれてなかった。 ユル・ブリンナーは書き足したんやなあ。 そういう意味で言うと見終わった後の幸せ感は荒野の7人の方があったかも。 志村喬が三船敏郎に「おまえは残れ」と言ったと想像しておこう。 いや、そのシーンを見落としていたかもしれん。
自分史上最高の日本映画
・3時間半にもかかわらす無駄なシーンが一切無い。
・戦シーン序盤で七人のうちの1人が死んでしまう。これにより残りの侍が死にはしないかとハラハラしながら観ることになる。
・自分は侍を集めるシーンが特に好きだ。1人1人集まる度にワクワクする。
・お荷物的な存在だった菊千代は侍と百姓が団結するうえで重要な存在となっていく。
・七人の侍の中で1番好きなのは片山五郎兵衛。
勝ったのは百姓たちだ、儂たちではない
名作中の名作と言われてずっとハードル高く感じてしまい鑑賞できてなかったが、見てみれば面白い娯楽映画だった 映画人でないので斬新なカメラアングルとか分からないが、今見ても古臭さなど感じずに3時間楽しめた
黒澤時代劇の傑作
感想 神も仏もない、戦乱が続く世界。秩序は乱れ、その日を生きることさえ、かなわない世の中。 野伏の襲撃が横行し、苦渋し、疲弊しきった農民が野伏退治を託す侍を傭おうと町に出てくる。生きる事も死ぬ事も紙一重の世界で、農民達は島田勘兵衛という義と理を兼ね備える侍に巡り会う事になる。 勘兵衛は農民の苦渋の想いを人の理として受け止め、農民の意に賛同する侍を集めようとする。勘兵衛が剣の腕が立ち心根の良さを認める者。勘兵衛を慕う若き侍との出会い。戦場の古女房と呼ぶ古参の武士との再会。さらに十戦無敗の強者武士、喧嘩巧者で荒くれ者の自称侍を名乗る男など、勘兵衛とその選ばれし者が、様々な人間的な魅力に溢れる人々を集める事になる。 さらに里山での野伏軍団とのダイナミックかつ痛快、壮絶な戦いが描かれていく。その激動の状況下に生きる武士と農民、それぞれの立場の人間としての生き様を生々しく克明に描き出す事により、人とは、生きるとは、どういうことかを観るものに考えさせ強烈な印象を残す。 とにかくよく考えられた完成された脚本。細かい人物描写の上の大胆な物語の展開。世界的にも評価の高い黒澤明監督の傑作のひとつである。 映画冒頭部分、街角を横切る侍に若き日の無名時代の仲代達矢氏が観れる。それだけでも興奮する。 志村、三船、稲葉、加藤大、宮口、千秋、木村、各氏の名演は知っての通り。農民達の想いを代弁する人足役の多々良純氏の熱演が印象的で感動する大好きな場面の一つである。 視覚効果的にも数多くの仕掛けを創造した黒澤作品だが、その中でも人が斬られた時の高速度撮影は、画期的な描写であったとあらためて感じる。 劇画とはまさに是なり。息が止まる感覚に緊張感は増すばかりである。 死の描写に殺しの美学があると言わしめた、鬼才サム・ペキンパーはこの描写に感銘し、黒澤を師と仰ぎ、自身の作品に絶対的オマージュとして、映像スタイルを確立し、その後の映像クリエイター達に大きな影響を与えたのは有名な話だ。 ⭐️5
さすがの脚本。ハリウッドが真似をしたのはわかる
集落を守るために侍を七人集めて、数に勝る野武士を知力でやっつける、という全体の構成が素晴らしい。侍の中心になる勘兵衛(志村喬)、狂言回しであり道化役でもある菊千代(三船)、優れた剣技の久蔵ら、魅力的なキャラクター設定もよく練られている。話の展開がハリウッドにリメイク版を作らせるほどなわけで「さすが」と思った。 農民をただおろおろするだけの弱い存在ではなく、したたかさを描いているところが作品の深みを感じさせる。人の価値は強さだけで測るものではないし、ずる賢くても命をつないでいくことなど、人間はいろいろな側面があるということだろうか。 ラストシーンで晴れやかに田植えをしている姿は、壮絶な戦いで勝利したことを「過去のこと」と振り返らず、今の目の前の仕事に集中するしたたかさを示しているのだろう。窮地を救ってくれた侍を「ただの強いやつ」と忘れてしまっているかのよう。 また、この集落の人々が過去に落ち武者狩りも行っていたことがわかり、それを菊千代が大演説をして「ただの弱いやつらではない」と説明するシーンも印象的。 1点減点は、上映時間が長いこと。特に勝四郎と志乃のラブシーンはなくても良いと思った。
大地
こんなに長い映画とは、知らなかった。でもおもしろかった。農民と武士の違いの描き方が、なんというか、率直というか、やはり最終的に両者は相容れないんだな、と思った。農民は土地が第一で、危機を脱したらもう通常運転。協力しあったのに、武士たちに村に残れば、とも誘わない。農民が頑固なのは、職業病なのかもしれない。 三船敏郎がいい体だからなのか、すぐ脱がされる(笑)。はだか甲冑じゃ身を守れないじゃない。さすがサド黒澤。 志村喬って、あらためてすごい役者なんだと思った。今なら役所広司が相当するんじゃないだろうか。 BSプレミアムの放送にて。
黒澤明監督の傑作のひとつ
初見はテアトル東京での1975年リバイバル上映。(チラシとパンフレットは大切に保管) その後は、日比谷映画、ACTミニシアターなどでも観ている。 1970~80年代の映画館をはじめとして、VHS、DVD、Blu-ray、「4K上映の映画館」(TOHO錦糸町)などで、何十回も観ている。 黒澤明監督の傑作のひとつ。 七人の雇われ侍の個性豊かな描写、農民の挙動も並行して描きながら、野武士との戦いを繰り広げる活劇として、世界に誇る作品となった。 物語は、野武士に収穫期の米などを奪われそうになった農民が困るところから始まる。 農民の重鎮(高堂国典が熱演!)が「侍、雇うだ!腹の減った侍、雇うだ!」なる名セリフ。 農民は町で雇う侍を探す。(後年有名になるが、この通行人の侍の一人に仲代達矢が居る。但し、名前のクレジット無し) そして七人の個性的な侍を見つける、…というか三船敏郎演じる菊千代は勝手に付いてくる。このあたり、笑いを誘う。 この七人の侍が個性的であり、人間性を信頼される侍=勘兵衛(志村喬)、研ぎ澄まされた剣豪=久蔵(宮口精二)、まだ少年の様な侍=勝四郎(木村功)など、出会いの場面から仲間になるまでの流れが楽しい。 農村に戻ると、村人は侍を怖がって出てこないが、板木を鳴らしたら農民たちは「おさむれー様、おさむれー様…」と出てくる。菊千代が笑わせてくれる。 農民の戦い方練習では、農民の一人(左卜全)がイイ味を出して、楽しい。 野武士がやって来るシーンは、ど迫力! そして、様々なシチュエーションで戦いが始まる……といった流れで、大雨の中での決戦に至るまで、クライマックス的な場面ばかり。 実に見事な作品であり、こんな凄くて楽しい映画は、なかなか無い。 2018年7月7日にはTOHOシネマズ錦糸町で『七人の侍~4K版』も鑑賞した。 画質も音声もクリアにデジタルリマスターされた207分の大傑作! 4Kスクリーン上映では、特に、怒鳴り声も聞き取れるように改善されていた‼️ 何度となく観ている映画だが、全編にわたって「眼を皿」のようにして観た😳w 何度観ても、新鮮に感じるシーンあり、やはり素晴らしい作品である✨
三船敏郎の暴れ具合がアクセント
野武士の横行に頭を悩ませていた村人らは腹が減った侍を雇って防衛することを考え、志村喬扮する浪人島田勘兵衛、木村功扮する勘兵衛を慕う岡本勝四郎、三船敏郎扮する菊千代ら七人が集まった。 改めて名作を観てみた。やはり落ち着きある志村喬の勘兵衛を中心とした浪人七人だが、戸籍を盗んだ13歳と言う菊千代を演じた三船敏郎の暴れ具合がアクセントとなっているね。尺の長さはやむを得まいが、やっぱり見ごたえは十分あったね。
映画館で観てよかった映画No.1
映画館で 鑑賞3回目! 月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとして 1回目に観た時は歴史的名作の迫力に圧倒されて 感想を文字に残す余裕がありませんでした。 2回目にやっと世界が認める娯楽作品の 楽しさ面白さを私の言葉で文字に残せるところまで来ました。 そして3回目 リマスター版で格段に観やすくなった「七人の侍」 一人一人の魅力的な人物描写に魅了され 観終わった後、涙が出ました〜〜 私もあの貧しい村の一人になって 現在ならさしずめ「理想の上司No.1」の 志村喬演じる勘兵衛さんや稲葉義男演じる五郎兵衛さんに もっと色々教えてもらいたかった! 三船敏郎演じる破天荒な菊千代や、 スッとぼけていながら優しさの滲み出る千秋実の平八さんや 加東大介演じる戦慣れした七郎次さんと一緒にお酒が飲みたかった! 宮口精二が演じたクールな久蔵さんの見事な剣の腕前に 木村功演じる若侍、勝四郎と一緒にもっと魅了されたかった! あの世界に行きたい! あの七人と会いたい! これが本当に惚れると言うことやね〜〜 しっかりキャラの立った七人の侍たち だからこそ、現在でもこんなに心に響くのでしょうね〜 以下は 2回目の2018年7月9日 鑑賞時の感想です。 この映画を「別に普通」と言う人もいるが、そりゃそうだ! この映画があったから、その後の殆どの娯楽アクションものが この映画をいわば真似してる訳で〜 「普通」を最初にを創り出したのがこの映画と言う事。 台詞が解らないと言う人もいる。そりゃそうだ! そもそも50年前の映画なのだから50年も過ぎれば言葉も変わっちゃうし 日本語スキルが劣化した私らに合わせた台詞は一言も無い。 それなのに地球上で1億強しか話さない原語の映画が 世界で同時多発的に色んな国の映画人から賞賛されている訳で、 要するに少々セリフが解らなくとも 真面目に観れば、ちゃんと解るように作られてるんだよ! 名作名作と構えずに気楽に観たら良い! 面白い娯楽作品なんだから〜! 福田里香氏の「フード理論」の最高峰は「七人の侍」である! と言う評論を耳にして、改めてこの作品を観ると 食べる事=生きる事の重さが胸に迫って来る。 作ってる自分たちでさえ一粒も口に出来ない一番大事な米を 差し出すしかない農民と、そんな農民の困窮を見兼ねて 出世にも俸禄にもならない仕事を引き受けた侍達の矜持と、 意義ある死に場所を求める気持が合致して話が進んで行く。 侍の話だけでなく、農民たちの困窮しながらも 実はしたたかに生き抜く狡猾さも描かれている。 死にかけの落ち武者を竹槍で追い回して奪った槍や兜〜 決戦前夜、いつのまにやら始まった酒盛りや 若い性の暴走などは誰にも止められない〜 生きるとは、綺麗事では無く、時には人を欺いたり 文字通り命がけなのだと、観るものに伝わってくる。 実は農民の出である三角じるしの菊千代が目指すものは 「本当の侍」になること。 だから勘兵衛に「本当の侍」の理想を見てついて来たのであり 久蔵の振る舞いを褒め称える勝四郎の「本当の侍」の言葉に 触発されて、逆に「本当の侍」にあるまじき行為を行なってしまう。 その反省が、最後は彼を「本当の侍」にしたのだと思う。 今回改めてやっぱ三船敏郎って凄いな〜〜 圧倒的な存在感と、大きな動き、豊かな表情! そして画面全体を照らし出す、溢れる様な愛嬌!! 彼の愛嬌があればこそこの映画が単に重い話で終らず、 メリハリのある活劇になってるんでしょうね。 こんな役者は今のハリウッドを含めてもちょっと居ない気がする。 1回目が2016.10.19日でした。 今回2度目だけど、2度目だからこそ 前回見落としていた部分を再確認しました。 本当に中身が詰まってます。 @もう一度観るなら? 「定期的に映画館で!(笑)」
人が生きている。暮らしている。
エキストラなんて出でいない。 役名のない人たちも映画の中で生きている。 その時代、その時、その宿場町に生き暮らしている人のように演出している。 それを思い知ったのは、たとえば久蔵の真剣での決闘シーン。 見守る勘兵衛と勝四郎の大写し。彼ら二人の目の動き。 その二人の後ろで決闘を見守るたくさんの人たちの表情と動き。 さらに決闘後。木賃宿に戻る勘兵衛が五郎兵衛に 「今、人一人を斬るのを見てきた」と告げた時に その現場に向かう人たちと少しでも離れようとする人たち。 スクリーンで、DVDで、サブスクで、何度見ただろうか。 見るたびに発見があり、この映画の凄みを実感する。 まだまだ黒澤明監督の凄みがわかる場面があるはずだ。 あと、何度この映画を見るだろうか。
実際、戦闘だけじゃない
黒澤明作品の中で初めて観ました みんな言ってることだけど、とても面白かった。 戦闘シーンの迫力感はただならないものがある。みんな言ってることだが、迫力感では現在でも他の追随を許していないと思う。少なくとも僕は、これを超える戦争シーンを観たことない。雨の中、泥まみれになりながら戦うシーンは凄まじかった。 でも、実はすごいのはアクションだけじゃないことに気づいた。 例えば、ユーモアがある。この作品はクスッと笑えるネタが随所に散りばめられている。 この作品は古い上に、白黒で、しかもストーリーも結構ドロドロしている。その上、長いので軽く観れる作品ではない。 でも、実際には観ている間はあんまり気にならない。ユーモアやアクション、映像美が緩衝材になって、重苦しい雰囲気を和らげてくれる。要は、器用貧乏ではないのに、バランスがとても良い。 観て、大したことのない、という感想を持つ人はあんまりいないだろうと思うほど、優れた作品なので、気になるなら観てほしいです。
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