「愛は自己愛」仕立て屋の恋 ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
愛は自己愛
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ある女性の部屋を覗き見している男。
男は覗き見していた女のことをいつの間にか愛するようになります。
男の愛は日に日に大きくなり、「私の人生を捧げる。」というところにまで膨らんでしまいました。
男は女への「愛」という思い込みにより自滅し、女は男からの「愛」という思い込みを利用します。
なぜそれほどまでに、男は女を愛したのでしょう。なぜそれほどまでに、男は女に執着したのでしょう。
パッとしない人生を全て捧げるほどの原動力を男は欲していました。原動力は「自己愛」を満たしてくれます。女は自分の人生を変えてくれます。
だからこそ、彼は女への愛が必要だったのではないでしょうか。
ルコントは一貫して、愛は「自己愛」であるということを描いてきました。男女は潜在意識の中で、自己愛を満たす道具として存在しています。
愛という幻想によって、男は一瞬だけ夢が見られました。一瞬だけでも夢が見られるのも、愛がなせる技なのです。
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