劇場公開日 2007年1月20日

「感情的ではなく科学的環境保護の勧め」不都合な真実 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0感情的ではなく科学的環境保護の勧め

2013年3月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

総合:75点
ストーリー: 70
キャスト: 70
演出: 70
ビジュアル: 70
音楽: 50

 ドキュメンタリーなので普通の映画とは趣を異にする。映画で紹介されていることはある程度は一般的に言われていることなので目新しいことばかりではないのであるが、それをデータを基にして科学的に説明していることは評価できる。感情的な環境保護論ではなく、理論的な調査と推論を全面に出しているやり方であるから説得力がある。
 もちろんこれと反する学説もあるわけで、環境の変化は人類の営みによる影響以上に自然の循環であるというような意見も場所によっては強い支持を得ている。実際、どちらが正しいかなんてことを絶対的に判断することは、現時点では誰にも出来ない。だからこそこのような科学的に論争をするのは良いことだと思う。学校の授業を受けているようで楽しめた。どちらの意見にしろ盲目的にマスコミの流す情報を信じるのではなく、これをきっかけにして自分で考えるきっかけになって欲しい。
 環境保護が一部で無視されたり反対される理由の一つが、利益の減少に関して産業界に懸念があるからだろう。作品中には環境保護というものが実は経済発展に反するものではなく、むしろ利益に繋がるという部分があったし、だからそこにはもっと力を入れて欲しい。それが例えば汚染を垂れ流しているような国なんかの(日本の周辺にもそんな困った国がありますが)権力構造を変えてくれる大きな要因になりうると思っているので。

 当たり前の話だが、なんのかんの言って、ゴアは大接戦の末に選挙に負けたのがよほど悔しかったのだろうなと思う。環境問題というだけでなく、さりげなく選挙の話や彼の過去の話が出てきていることにそれが現れている。ただ大統領になりそこねたという意味での悔しさも大きいだろうし、彼の代わりに大統領になったブッシュが、彼と正反対の政策を実施したという悔しさもあったのだろう。

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Cape God