劇場公開日 2002年1月19日

フロム・ヘル : 映画評論・批評

2001年12月27日更新

2002年1月19日より日比谷映画ほか全国東宝洋画系にてロードショー

ヒューズ兄弟版「切り裂きジャック」は映像がカッチョイイ!

暗い路地を足早に歩く女性、恐怖に怯えた瞳、飛び散る鮮血、横たわる死体、何者かの影……。切り裂きジャックの犯行を無気味な映像コラージュで表現し、次の展開に期待させる。リアルかつ繊細なドラマ構築センスを持つヒューズ兄弟をデビュー時から注目していたが、こんなにオーセンティックなビジュアル・センスをも持ってるなんて。目からウロコが落ちました。

う~ん、凝ったセットと映像が実にカッチョイイ! 昼夜では異なる顔を持つロンドン下町や娼婦が暖を取るパブ、ジョニー・デップ演じる超能力警視が現実逃避するアヘン窟、横たわる死体や冷え冷えとしたモルグなどなど。ライティングや使用カメラを微妙に変えて作り出した、ニュアンスのある背景がもうひとつのキャラクターとなっているのだ。このスタイリッシュな映像を見るだけでも十分に満足できる。

で、肝心のドラマ部分はやや弱い。切り裂きジャック事件が長年、研究されつくしたテーマだけに新鮮味に欠けるのは仕方がないか。とはいえ、英国王子が娼婦好きだった事実や事件の背後にフリーメイソンを配置したり、裸体のエレファント・マンが登場したり。随所にジャック・フェチらしい小技を盛り込み、猟奇マニアも楽しめるテイストに仕上がっている。

(山縣みどり)

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