「オスカー獲るほどじゃない」フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
オスカー獲るほどじゃない
1962年キューバ危機。映画『13デイズ』よりもずっと深刻で緊迫していたことがインタビューによりわかる。好戦的なルメイという男がしきりにキューバを攻撃したがってたと同様に、カストロだって核配備してフルシチョフに進言していた事実。結局、全面核戦争を止めたのはアメリカでもソ連でもなく、単に運が良かっただけ・・・かなりリアルな発言だ。
第2次大戦時、膨大な死傷者を出した日本。東京大空襲では一晩で10万人の死者数である。戦争のルールさえ確立されていない時代(今も確立しているとは思えないが)、勝った国だからこそ好きなことが言えるという雰囲気が伝わってくる。この点、インタビュワーが一番冷静だったようだ。
途中、戦争から離れ、フォードの再建のために努力した話が延々と続けられるのにはうんざりさせられた。
結局、「戦争をなくせるものではない」というのが彼の本音。具体的に言えば物議を醸し出すことは間違いないのではっきりとは言えない立場。ただ、被害を最小に留めるべきだと主張していることはよくわかる。
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