エリ・エリ・レマ・サバクタニのレビュー・感想・評価
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終盤、眠くなる箇所があったりするけど、眠ってしまったあなたはすでにレミング病に感染しているのかもしれません。
失業率増大!2015年には日本の失業率も38%に膨れ上がり、自・殺者も300万人にまで増えてしまった。それもほとんどは“レミング病”の蔓延によるもの。感染すると自・殺してしまいたくなるという恐ろしい病気なのです(ただし、普通の自・殺とは区別がつかない)。ウィルスによるものだが、感染経路もわからないし原因だってつかめてない。唯一救われる方法は、ミズイ(浅野忠信)とアスハラ(中原昌也)のユニットによる“音”のパフォーマンスを聞くことだったのだ。 この2人は波の音、掃除機のホースの音、貝殻の音、野菜をつぶす音等々をサンプリングし、コンピュータで加工し、前衛的な音楽を奏でるというもの。とても音楽とはいえないシロモノですが、レミング・ウィルスが死滅もしくは停滞する効果があるのです。音を拾い、ディレイマシンやフランジャーやタッチワウなどのエフェクターを通す。ゲインを下げフリークェンシーを高め、レゾナンスを上げて・・・シンセサイザーもミニムーグからKORGまで加工しまくりで、音に陶酔しなければ出来あがらない。普通の音楽に慣れ親しんだ者にとっては雑音でしかない世界。限りなく自己満足に近い不快音楽の部類なのだった。 金持ちのおっさん(筒井康隆)が、レミング病に感染した孫娘ハナ(宮崎あおい)を連れて2人の元へやってきて「演奏してほしい」と懇願するが、2人は「好きなときにやる」と答えるだけ。自由な音楽家といった雰囲気なのだが、探偵が持ってきた資料には死なせてしまった恋人のカルテがあったことから興味を示すのだが・・・といったストーリー。厭世観と楽天主義が混在しているような中心人物だったけど、人の死に直面すると考えも変わり、甘えの思想も心を無にすると道が開けるようなことを感じました。タイトルの意味が「神よ、なにゆえにわれを見捨てたもうや」ということらしいので、悲観的な内容かと思いきや、そうでもなく、最後には爽快感さえ残る不思議な作品でした。 2人の行きつけであるペンションのオーナーが岡田茉莉子。彼女が登場してアップになると、「犯人は彼女だ!」と叫びたくなってしまうのは何故なのだろうか・
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