劇場公開日 2004年3月27日

「【”苛めの話をチャンと聞け、校長!”と犯人は言った。”普通の高校生が通販でライフルを購入出来た国で起こった悲劇を淡々としたトーンで描く。】」エレファント NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【”苛めの話をチャンと聞け、校長!”と犯人は言った。”普通の高校生が通販でライフルを購入出来た国で起こった悲劇を淡々としたトーンで描く。】

2021年11月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

ー コロンバイン高校銃乱射事件は、当時大きな衝撃を世界に与えた。今作は、彼の事件を淡々としたトーンでガス・ヴァン・サント監督が描いている。
  が、それ故に、後半の凄惨なシーンは恐ろしい・・。-

<Caution !内容に触れています。>

・ジョンは酔った父のために、学校に遅れ、校長に叱られ
・イーライは、趣味の写真を撮り
・アメフト選手のネイサンとキャリーは仲良く話し
・ミシェルは図書委員として、働き・・

と、前半はジョン以外の犠牲者の普通の高校の朝の風景が描かれる。

・アレックスが苛められるシーンが少しだけ映るが、エリックとアレックスは見た目は普通の高校生で、アレックスの自宅に届いたライフルを数発撃ち、二人でシャワーを浴び、普通に
”今日、死ぬんだよな・・”と言い、二人で計画を立て、学校にアーミールックで乗り込んでいく。

・その二人の異様な姿と、”来るなよ、地獄を見るぞ・・”と言う言葉を掛けられたジョンは皆に”学校に入るな”と言って回るが・・。

<エリックとアレックスに高校のヒエラルキーを変える手段は他になかったのか・・。
 ガス・ヴァン・サント監督が、敢えて淡々とした高校の朝の風景や、生徒達の他愛無いお喋りを写した前半と、平凡な日常がエリックとアレックスにより、地獄と化していく様を描いた後半の対比が恐ろしい作品である。>

□今日、私の居住区で、中学生が同級生を刺殺するという事件が起きた。犯人は”嫌な事をされた”と話しているようであるが、暗澹たる気持ちになってしまう。
 アメリカで、頻繁に起きる学校内での殺傷事件は、日本でも、対岸の火ではないのである。

NOBU