劇場公開日 1987年1月15日

「リメイクでもオリジナル版を越えてくる面白さがありました お見事でした」ザ・フライ あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5リメイクでもオリジナル版を越えてくる面白さがありました お見事でした

2020年9月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

いやまた、こりゃあ、スゲー!
正直たまげた!

さすがデヴィッド・クローネンバーグ!
グロい、グチョグチョ、エゲツない、それも超強烈なのを撮らせたら、この人が当代一かも知れません

出産シーンの怖さは一級品です
こりゃあ、妊婦は観ないで下さいの宣伝文句は伊達じゃないです

1958年のオリジナル版「蝿男の恐怖」の肝の部分の、物質転送機の事故の部分は同じながら、見事な翻案になっていて見応えがあります

遺伝子レベルでハエと人間が融合が融合してしまうとどうなるかを、オリジナル版の時代から急激に進んだ科学知識に基づいてお話を膨らませてあります

リメイクでもオリジナル版を越えてくる面白さがありました
お見事でした

転送すると、人体が再構築されるので最高に調子が良くなるって所が面白い
パソコンのOSをインストールし直したみたいです

ふと、このおはなしグロいのから目を遠く離して考えると、結局のところこういうことなのではと思いました

ある男女
男が転職に成功して、凄い役職と高収入を手に入れる
めちゃくちゃ鼻息荒くなって、女をぞんざいに扱いだす
そのうち生活が荒れはじめ、転職先の仕事も上手く行かなくなり、やがて麻薬にも手を出して破滅的な行動を起こし始める
女は男と別れる決心をし、中絶まで考えたのに、彼の荒みきって廃人と化した哀れな姿を見たらやっぱり捨てられない
結局・・・

てなお話です

こういうよくあるシンプルなお話構造だからこそ面白さがあるのだと思います

改めて宇宙大作戦の転送機って凄いんだなあ!
スコッティ転送してくれ!

あき240