劇場公開日 2003年4月19日

「チープな映像と展開だけどそこに描かれたテーマは美しい」ドリームキャッチャー(2003) 昭和ヒヨコッコ砲さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0チープな映像と展開だけどそこに描かれたテーマは美しい

2021年8月10日
PCから投稿

スティーブン・キングの作品はキャラクターの心情描写や心情吐露が非常に豊かでこれが映像作品になったときに真っ先に失われる部分であるため、本作はその影響をモロに受けているように感じた。
元々、映像化はチープになること不可避なのにキングの作品の妙を演出できないので厳しい部分はある。

とはいえ、
ジョンジーが事故に遭ったこともミスターグレイの行動を制限するためだったし、
ビーヴァーがジョンジーを逃がしたこともこれに繋がる。
ピートが道を教えたことでミスターグレイの行動は読みやすくなり、
ヘンリーがテレパシーでミスターグレイの存在を知り、ダディッツを連れて来れた。
4人とダディッツの縁と互いの絆が世界を救う予定調和へと向かう流れは悲しくも美しく描かれている。

原作はミスターグレイやその幼体の描写が非常に密でグロテスクで不気味な様子が濃く表現されているし、ジョンジーの記憶倉庫での攻防も非常に切迫した緊張感に満ちており、4人とダディッツの友情もそれぞれの心情を含めて描かれているなど原作の出来は非常に良いと感じた。

昭和ヒヨコッコ砲