「難解ではあるが、大筋はわかりやすい映画」ドニー・ダーコ タブローさんの映画レビュー(感想・評価)
難解ではあるが、大筋はわかりやすい映画
クリックして本文を読む
わかりすくまとめると、「ヒロインと自分の家族の命を救うために、過去のある時点に戻って自分の死を選択した話」と理解できる。
ところどころ細かい部分がよくわからず難解な点はあるが、大筋はわかりやすいだろう。
ドニーのキャラが「ライ麦畑でつかまえて」のホールデンっぽいなと思って調べたら、やっぱり製作者も意識してた様子。
主人公は「ライ麦畑でつかまえて」で、ストーリーは「バタフライ・エフェクト」、雰囲気は「アメリカン・ビューティー」のような要素を持った映画と感じた。
ラストでドニーの母親とグレッチェンが互いに手を振るシーンは、ドニーが死ななかった並行世界での出来事の記憶が僅かに残っていたということだろう。
一瞬、実はすべてがドニーの夢や妄想だったのでは?とも考えたが、このラストシーンのお陰で現実に起こっていたことが確認できたので安心した。
というのも、ヒロインの存在が男子高校生がいかにも妄想しそうな感じで、付き合うまでがトントン拍子すぎるから妄想だったのでは?と勘ぐってしまった。
と、ここまでが自分の考察である。
しかし、劇中でも登場する「タイムトラベルの哲学」を公式が実際に公開していて、それ読んでみたらかなりぶっ飛んだ裏設定だったから、やっぱりすべては主人公の妄想だったんじゃないかとも思えてくる。
公式の裏設定もかなり凝ったセカイ系SFで面白いのだが、残念ながら映画の中でそれらの説明が一切なかったので、あくまでも映像を観ただけで理解できるものを評価すると星3.5くらいが妥当かと思う。
「ドニー・ダーコなんて名前、スーパーヒーローみたい」
「ヒーローかも」
この先の出来事を暗喩している切ないセリフで印象に残った。
コメントする