「青春劇とも受け取れる」ドニー・ダーコ Kさんの映画レビュー(感想・評価)
青春劇とも受け取れる
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タイムトラベルを基軸としたSF、サイコ系ホラー、社会派サスペンス、なんともジャンル分けしにくい不思議な作品。ストーリーが分かりにくいのは確かだが、謎を解きたくなるに分かりにくさで、隠れた名作だと思う。
舞台は閑静な住宅街。裕福層の子女が通うハイスクール。カルト的な自己啓発、児童ポルノ所持、東洋人差別など、社会的地位の高い人々の表の顔に巧みに隠された闇が垣間見える。それはアメリカ社会そのもののように感じる。勝手な想像ではあるが、タイムトラベルの哲学を著した女性に関して過去に事件の揉み消しのようなものがあったように思えてならない。
一度観た後にもう一度観ると切ない。「世界が終わる」までにやり残したことをやったという青春劇とも受け取れる。それは恋であり、大人への反抗であり、社会の歪みの告発であったように思う。
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