「難解ですね・・」ドニー・ダーコ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
難解ですね・・
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実績ゼロの映画青年が渾身のシナリオで認められ商業映画監督デビューという話題作。
プロットは飛行機の翼に付いた氷塊が住宅に落下して少年が死んだという報道に触発されて書き始めたらしい。時代背景を88年にしたのは自身の10代の頃の感性をベースにしたかったとか。
ユニークなキャラ設定が特徴、主人公は猜疑心の強い精神病を患う高校生と言う設定、つまり過激な行動や辻褄が合わないことは妄想の仕業と扱えるし、カウンセラーを通して真相を引き出すというミステリアスな演出を可能としている。
SFを持ち出したのは彼女を救う為に時間を戻すことなのだがトリックの説明に「タイムトラベルの哲学」という架空の解説書まで持ち出して全ての出来事はこのバイブルに従って起きたことだとみょうちくりんな理論武装まで行っているから用意周到。この辺が深読み好きなカルトファンには受けるのでしょう。
監督は頭でっかちかと思えば、微笑みながらその時を受け入れる主人公の顔が印象的、まだ25歳の監督の若者らしい側面も伺えます。
お化け屋敷の趣向のように手はこんでいるがテーマは誰もが通過する青春の軋轢なのでしょう、色々のことに目覚める年頃だから世の中の欺瞞や同調圧力に悩みキレかかる青春像というのはよく分かる、脚本・監督のリチャード・ケリー自身の体験もあるのだろう、また脚本を読んで出資に応じたドリュー・バリモアも10代の頃精神病院に入れられ14歳で自殺未遂という過去をもっていたので特別な関心を持ったのだろう、理解ある教師を演じていましたね。
カルト映画として評価が高いようだが評論は落語の「酢豆腐」を思い出す、観たままでは難解で予備知識を必要とする映画は苦手です。
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