「これほどの映画にはそうそうお目にかかれない!」デビルマン 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
これほどの映画にはそうそうお目にかかれない!
先日、録画DVDの保管場所を作る為、貯め込んでいた録画ビデオを整理していたら、久々に本作を見つけた。そういや、何年も前に録画したまま見ていなかったけ。
そしたら急に本作を見たい衝動に駆られた。
何故見たい衝動に駆られたのかは知る由もない。録画ビデオには名作も多々あるというのに、困った性分である。
思い起こせば、約10年前。僕はこの映画を劇場に観に行ってしまったのである。
スクリーンの中に広がった世界は、まさに“事件”であった。
主役を演じた素人による素人演技と棒読み台詞に爆笑。
酷評してくれと言わんばかりの冨永愛にまた爆笑。
オリジナルへのリスペクトがまるで感じられない演出と脚本に唖然。
デビルマン初心者は置いてきぼりの展開、ダークさも緊迫感も微塵も無い世界観に呆然。
クオリティを高める為に公開延期したくせに低クオリティのCGに驚愕。
ダ○ソーで買って作ったような特殊メイクにKO。
意味不明なカメオ出演者に失笑。
同年公開の「スパイダーマン2」はヒーローとしての苦悩を深く描いていたのに、苦悩が無い所か戦いを好む薄っぺらのダーク・ヒーローにスパイダーマンも羨望の眼差し。…などなど。
当時バイトしてたレンタルビデオ店にアニメ版が置いてあり、こちらに1800円払う方が良いとさえ思った。
この映画を劇場で友達と見て良かったと思っている。一人で見ていたら、暫く立ち直れなかっただろう。
お陰で観た後、友達と本作について大いにボロク…いやいや、語り合ったものである。
ひょっとしたらこの映画は、ある意味、奇跡的な傑作なのかもしれない。
これほどのレベルの映画にはそうそうお目にかかれない。
この映画を見たら、大抵の映画は素晴らしく思える。他の映画を立てる為に、この映画は存在するのだ!
「ガッチャマン」とコラボしたら誰にも予想出来ない科学反応が生まれる事だろう。
いっその事、「CASSHERN」や「SPACE BATTLESHIP ヤマト」も。そうだ、この夏の「ルパン三世」がコケたら、彼らも呼ぼう。
皆で集まればもう怖くない!