「やられたらやり返す」ザ・クラッカー 真夜中のアウトロー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
やられたらやり返す
凄腕の金庫破りのフランクは、結婚し堅気になろうとする。しかし、犯罪組織のボスは彼の腕を惜しみ、引退させまいと罠を仕掛ける…。
名匠マイケル・マンの映画監督デビュー作。1981年の作品。
マイケル・マンと言うと、スタイリッシュ、クール、男のドラマ、夜の街などを連想する。(あくまで個人的見解)
デビュー作ながらそのスタイルは既に確立されている。
ムード漂う夜の街は「コラテラル」や映画版「マイアミ・バイス」、渋い男のドラマは「ヒート」や「インサイダー」を思わせる。スタイリッシュな映像はTV版「マイアミ・バイス」の原型。
クールな作風は同じクライム・ムービー「ドライヴ」への影響も感じられる。
結婚し養子も迎え入れ、新たな人生をスタートさせたかに見えたが…生きてきた性(さが)がそれを許さない。
やられたらやり返す。今人気のドラマの台詞を借りるなら、「倍返しだ!」。
ここに、ベタな言い方だが、男の美学が炸裂する。
相手が犯罪組織のボスだろうと物怖じせず、言いたい事も言い、主張も曲げない。
こんな男になってみたいわ…と思わせるこの役に、男臭い風貌のジェームズ・カーンはぴったり。
「マイアミ・バイス」「ヒート」「コラテラル」が好きなら見逃せない。
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