「スポーツで食べていくのって、大変…」ザ・エージェント とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)
スポーツで食べていくのって、大変…
原題『JERRY MAGUIRE』。つまり、映画が描いているのは、ある男=ジェリーの話。
仕事・プライベート、双方での彼の生き方(成長譚?)。
子役もかわいらしくって、
ジェリーとロッドの凸凹コンビも面白くって、最後にはホロッとさせられて、
ロッドの家族には迫力負けしそうで、
ドロシーとの関係も、ドロシー大丈夫か?というところも含めて、ハラハラさせられて、ロマンティックで、
ローレル・ドロシー姉妹にもほんわかさせられて、
インテリアも居心地よさそうで、
映画のテーマも、ストーリーも、すてきで、ファミリーで見たいのに、
何気にラブシーンが、この映画に不釣り合いなほど…。
しょっぱなのは、いわゆるセレブらしさなのか?好みではない。
家の前(通り)ーー夜更けだけどーーで?
ここが気になって、0.5評価を下げる私が変なのか?
子どもの一言でそれまでの自分を振り返り、子どもと離れたくなくってプロポーズしちゃうジェリー。
会社を辞めるきっかけも、エージェントしていた選手の子どもの一言。
熟慮が足りない。それでも、事態を改善するにはと必死なジェリー。でも、ロッドの手前、自分についてきてくれた社員のドロシーの手前…。
そんなジェリーのオーバーアクションに隠された戸惑いが、きめ細やかに表現されていて…。
それをうけるドロシーの表情が…。
ロッドも、ロッドの想いはあり、どうなっていくのか…、からのロッドの行動…。
大企業の力を己の力と過信していたが、実はということを思い知ることになるジェリー。
トム様ご自身も、この映画のかなり後の2006年、パラマウント映画から、契約を一方的に打ち切られることがあったりして。トム様の場合、すでに『ミッション・インポッシブル』等の制作を手掛けられていたから、ジェリーとは違うけれど、どんなお気持ちだったのだろう。
個人的にも、独立しようかと思うこともあり、ジェリーの境遇が他人ごとではなくなる。
どん底に落ちてからの展開が、コメディタッチで描かれていく。
筋だけ追えば、よくある話。
でも、アレンジでこんなに愛おしくなる。
ドロシーとの間での名セリフもいいが、
「不満で一杯のプレイに…感動しない。ハートでプレイしろ(思い出し引用)」というのも頭にガツンと来た。
コメディ路線で、でも泣かされて、人生考えさせられて…。
トム様の魅力満載。とっても素敵な映画です。
☆ ☆ ☆
しかし、アメフトって命がけ。しかもあんな大家族を養っている。怪我したくないよね。死にたくないよね。
「俺が怪我したらどうなる」「旬は短いんだ」「だから稼げるうちに稼ぎたいんだ」というのが、身に迫った。
最近でこそ、怪我をしても治療して復帰してくる選手も多くなったけれど。
選手生命も伸びて、「キング・カズ」や「〇回目のオリンピック」という選手も多い。
でも…。
エージェントって、選手後の生活の相談ものるのだろうか?
キャリア・プランニングって大切。
☆ ☆
どなたかもおっしゃっていたけれど、トム様は実はあげまん。
トム様を俺様俳優という方もいる。映画が全部トム様のPVになるって。
でも、トム様と共演してブレイク、もしくは受賞された方って多い。
ご自身も、ニューマン氏やホフマン氏のような超大物と共演されて、超大物俳優になっていかれたけれど…。
私が記憶している限りでは、
この映画では、グッディング・Jr氏が受賞、レネーさんがブレイク。
『デイズ・オブ・サンダー』ではニッコールさんがハリウッドデビュー。
『インタビュー・ウィズ・ヴァンバイア』ではピット氏の人気を不動のものに。
『マイノリティ・レポート』ではファレル氏が注目され、
『ラストサムライ』では渡辺氏と真田氏。
『コラテラル』ではフォックス氏の評価が高い。
『ミッションインポッシブルⅢ』以降ではペッグ氏が世界的にブレイク。
ご自分も輝いて、相手も輝かせる。
キャスティングもうまいのだろうけれど、さすがだ。