「【物凄いポジティブ思考の女子学生が、振られた彼を追ってハーバード法学部に入学し、新しい道を見つける物語。女性軽視の男達にキツイハイキックをお見舞いする、気持ち良きヒューマンコメディでもある。】」キューティ・ブロンド NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【物凄いポジティブ思考の女子学生が、振られた彼を追ってハーバード法学部に入学し、新しい道を見つける物語。女性軽視の男達にキツイハイキックをお見舞いする、気持ち良きヒューマンコメディでもある。】
ー この作品は、全く知らなかったのであるが、笑えて後半は沁みる、とても良きヒューマン・コメディである。ー
・主人公のエル(リース・ウィザースプーン)が、プロポーズされると思った愚かしきワーナーに”30までに上院議員になるには、マリリン・モンローみたいな金髪女はふさわしくない。”と甚だ時代錯誤な言葉で振られてしまうのだが、彼女はそこからワーナーと同じ、ハーバードの法学部に猛勉強して入学し(この過程も、凄く可笑しく描かれている。)、当初は周囲から完全に浮いているのであるが、彼女の常に明るい笑顔を浮かべて一生懸命に法律を学ぶ姿や、ヘア&ネイルの店で仲良くなった女性ポーレット(ジェニファー・クーリッジ)の離婚問題も解決して上げる姿が、コミカルトーンで描かれるのだが、嫌味が無くってとても良いのである。
・当初は彼女の事を否定的に見ていたワーナーの彼女ヴィヴィアン(セルマ・ブレア)も、そんな彼女の純粋な人柄を見て惹かれて行くし、優しきイケメン級友のエメット(ルーク・ウィルソン)も彼女をサポートしていくのである。
私は、一緒に働く仲間にも、”ポジティブ思考でやろうぜ!”(頑張ろう!と言う言葉は使わないようにしている。)といつも言っている超絶能天気男であるが、今作のエルには負けるなあ、と思ったな。彼女が周囲に発する”明るいオーラ”が凄く素敵なのである。
・この作品の白眉は、ヤッパリ、エルが担当教授でもあり弁護士のキャラハン(ヴィクター・ガーバー)の実習生に選ばれて、殺人事件の裁判に臨むシーンであろう。
この裁判の過程で、キャラハンが愚かしきセクハラ男である事が分かる設定や、
(で、彼女はそんな男がいる学校を辞めようとするのだが、それを最初は厳しかった女性教師のストームウエル(ホーランド・テイラー)が止めるシーンも、ジーンとくるのである。)
殺人容疑で裁判に掛けられていたエルの社交クラブの先輩でもある、痩身美容を生業としていたブルック・テイラー・ウィンダム(アリ・ラーター)の黙秘理由が、”脂肪吸引をしていたのー!”と泣くシーンも凄く可笑しいのだが、エルはその事実を法廷では絶対に言わない所も良かったな。
・そして、彼女が射殺された男の娘を法廷で尋問するシーンも素晴らしい。男が射殺された時にシャワーを浴びていたと何度も証言していたのを知っていたエルは、再びそれを聞き失笑の中、パーマをかけた日を確認し、”パーマをかけた後、24H以内にシャワーを浴びる事はパーマを良くかける人なら在り得ない!”と矛盾を尽き、娘はブルックを指して”あの女を殺そうとしたのよ!”と言ってしまうシーンは、冒頭のエルのファッションの知識が凄いという点と見事に合致しており、参りましたなのである。
<そして、愚かしきワーナー君は、”君は素晴らしい女性だ”などと、ちゃっかり言い寄るのであるが、エルは振られた時の言葉を使って”30までに、法律事務所を持つから、あんたなんかお断り‼”とビシッと言い放つのである。あー、気持ち良いなあ。
そして、2年後にエルは、なんとハーバード法学部の総代に選ばれ、同級生達に”やった!”と叫んで、拍手喝采、帽子が飛ぶシーンで今作は終わるのである。
その後のエルたちの歩む姿をテロップで流しつつ・・。
今作は、物凄いポジティブ思考の女子学生が、振られた彼を追ってハーバード法学部に入学し、新しい道を見つける物語であり、女性軽視の男にキツイキックをお見舞いする気持ち良きヒューマンコメディでもあるのである。>