サンダーボルトのレビュー・感想・評価
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憎めない半端なノリの数々を満喫
ワイルドなイメージがあるイーストウッドなので、髪をピッチリ「7:3分け」してる牧師姿に違和感を感じながらスタートした(苦笑)
いつの間にか、いつもの風貌に戻りJ.ブリッジスとは・・・
「中古車盗難で逃走」+「牧師として説教中に何者かに銃撃され逃走」という偶然逃走同士の縁になる面白みがある。
カフェ店員に「ご注文は?」「君だよ」とJ.ブリッジスはかなりお気楽なキャラだったため、コミカルなアクション映画と確信する展開。
そして、なぜイーストウッドは狙われているのか、わからないまま進んでいくので映画に引き込まれる興味材料にもなった。
しばし逃げながらドライブ景色を堪能できる演出を挟み、追ってきたジョージ・ケネディとは中途半端なアクションコメディで笑えるような笑えないような、古いコメディなのか斬新な展開なのか観てて混同してしまった。殺すの?単なるケンカ?...そう思ってたら「ところでよ」て感じに、川でダラダラ金の話してくつろいじゃう^^
4人でドライブ状態になってからは、古いコントを見ているような感覚が強くなった。金庫破りの調査か軍資金のためか、アイスクリーム屋・工場・デパートの清掃員・庭の草むしり? ...もう何だかよくわからんノリで、いい意味で真面目に観るのはやめ、場面場面を楽しむことにした。
犯行中も
J.ブリッジスの女装、腎臓弱くておしっこ漏れそう、ドライブインシアターの雰囲気、勝手なジョージ・ケネディのカーアクションと見所は多く、生き残ったイーストウッドはどうなったのか気になりますが、総じて味のあるコミカルな話でした。
ダーティハリーのような息詰まるアクションはありませんから、ジャケは少し「詐欺ってる」とも言えます。しかし、ニューシネマとして楽しむには数々の面白い場面がありますので、もう一度観たくなる映画でした。
「つまらない」と感じるのは、もったいない。
ラブコメに押されがちな現代で、男の情をどこか切なくコミカルに描いた映画を風化してはならないとも思いました。
ライトフットがどこからきたのか?
いきなり車を盗んでいったが。
いろいろ不思議な事が出てくる。
なんでトイレで着替えるのか?
なんで後ろのトランクに隠れるのか?
最後は殴られたせいなのか。
わたしには、はまらなかった。
広大な土地でデカい車とデカい銃器とデカいこぶしでデカいおじさん達がバトる70年代のアメリカが反映された男臭い映画
午後のロードショーでTV鑑賞。
子供の頃(もちろん昭和)テレビで放送する度に必ず観てた映画の一つ。
イーストウッドの映画の中でも最も好きな部類に入るアクションと少しのコメディと皮肉が混ざったよく考えられたロードムービー的要素もあるエンタメ映画。
ダーティハリー2の後に作られたイーストウッド人気絶頂期の作品だが、個人的にはダーティハリーよりも好きな映画。
あとから知ったが、本作はあのマイケル・チミノの監督デビュー作で脚本も兼ねているので面白くないはずがない。(次作「ディアハンター」でアカデミー監督賞を獲り、次々作「天国の門」で業界を干されますw)
元ベトナム戦争の英雄だった銀行強盗という激渋おじさん役のイーストウッドはまだ40代半ばで俊敏さはないものの幾分は動けており、アクションとドンパチは一番の見どころだと思う。
特にジョージ・ケネディと殴り合うシーンは重量感が堪らず最高に盛り上がる。
吹き替えも山田康雄のままが嬉しい。(最高に味はあるが、正直言って最近の声優さんと比べるとそんなに上手くはないなと改めて思ったり・・・)
今ではアイアンマンの敵役でデカいおじさんのイメージが強いジェフ・ブリッジスもまだ20代半ばくらいで、イーストウッドやジョージ・ケネディら190cm越えに挟まれると小柄に見えてしまい、昔の役者ってデカいなあと改めて思う。
最近テレビで放送する映画だとジブリかハリーポッターばかりなので午後のロードショーには引き続きおじさん向けに70、80年代の名作を頑張って放送してほしいと思う。
大型車しか登場しないのも、もう若くもなくなった落ちこぼれの朝鮮戦争世代が銀行強盗するのも、そこにベビーブーマー世代のベトナム帰りのプー太郎が加わるのも、監督には意味が有ることなのだと思うのです
サンダーボルトは主人公の名前です
もちろん機関砲の名手だからついた渾名で本名では無いでしょう
題名とポスターをみると、イースウッドが大型拳銃を撃ちまくるわ、果ては20ミリ機関砲を持ち出して大暴れの巻と思い込んでワクワクしてしまいますが、肩すかしを食らうことになります
確かに大型拳銃を持ちますし、機関砲も撃ちます
だからポスターは詐欺ではありません
じゃあ、どういう映画なんだよ?と問われると、んー何だろう?となります
そんな映画です
単なるお気楽なロードムードぽい、銀行強盗の映画?
もちろん、そう見えます
ニューシネマっぽさが濃厚です
しかし、なんかそれをわざと装っているようにも感じる
何か空々しい
違和感があるのです
無邪気にニューシネマのど真ん中にいない
こういうのがウケるんだろ?という皮肉さを感じるのです
ロードムービー?
ロードムービーとは、出発点から帰着点までの間に登場人物が様々な出来事を経験するうちに、成長し変化していくことを描くものです
主人公の心の持ち方が変わり、人生の新しい出発点に立てるようになっている、そんな映画が殆どだと思います
本作はそれに当てはまりません
主人公は少しも変わらないのです
レッドは主人公サンダーボルトを殺しに序盤から登場すますが、本気で殺そうとはしていないことはすぐに気づくことです
単に脅かしているだけなのです
粗暴なレッドも、頭の弱いグーディも最初から、最後まで変わらず退場していきます
若者ライトフットも同様です
結局、変わらないまま主人公だけが死体を乗せて次の土地に向かっていくのです
マイケル・チミノ監督作品
監督は1939年生まれだから、公開当時は35歳
サンダーボルトとライトフットの中間です
本作が監督デビュー作
そして、次回作があの映画史に残る名作「ディア・ハンター」になるのです
本作は一体何がテーマだったのでしょうか?
何を監督は表現したかったのでしょうか?
大型車しか登場しないのも、もう若くもなくなった落ちこぼれの朝鮮戦争世代が銀行強盗するのも、そこにベビーブーマー世代のベトナム帰りのプー太郎が加わるのも、監督には意味が有ることなのだと思うのです
大型車
それも呆れるほど馬鹿デカい車ばかり登場します
マッスルカーと言われる大排気量、高馬力の大型車です
アメ車と言ってイメージする車そのものです
1970年に排ガス規制のマスキー法が制定
1973年は石油危機
石油危機は数カ月であったものの、ガソリンが記録的な高価格にりました
これがきっかけで連邦政府の燃費規制も始まります
なにより、アメリカ国民の感覚が変わったのです
排ガスがクリーンで、もっと燃費の良い、もっとコンパクトな車が求められるようになったのです
その結果、本作に登場するようなマッスルカーのほとんどは、新車販売から次々と消えて行ったのです
それが本作公開の1974年頃からのこと
本作は恐竜のようなマッスルカーが最後の時代を迎えている、その姿を伝えようとしています
ベトナム戦争
完全終結したのは、本作公開の半年後の1975年4月末のサイゴン陥落です
でも実際には、1974年3月頃には米軍の撤退は完了していました
だからライトフットは、おそらくベトナムから復員してきたものの、仕事もなく、あってもする気も起きずフーテンしてたのだとおもわれます
こんな若者は当時アメリカには溢れていたのだと思います
ライトフットも渾名で本名では無いでしょう
軽率ものとか、粗忽ものという意味だそうですから
彼は演じたジェフ・ブリッジスと同じ年齢とすれば25歳
日本で言えば団塊の世代、アメリカではベビーブーマー世代です
朝鮮戦争
1950年から1953年にかけて朝鮮半島で行われた戦争
主人公のサンダーボルトは演じたクリント・イーストウッドと同じなら20歳頃から23歳頃に掛けて従軍したことになります
劇中の現代では44歳ということです
もう若くはないと自覚する年齢です
まだまだやれるという自負はある
しかし残された時間はそうないという焦りを感じ始める年代です
サンダーボルトと同年代のレッドとグーディは朝鮮戦争での戦友
主人公は戦場では英雄で、二人から尊敬と信頼を得ています
そんな英雄であっても、戦争から復員しても働けるのは底辺の仕事だけです
でも真面目に働くのは、戦争時代の仲間とやる次の銀行強盗までのつなぎとしてのみのようです
つまり、朝鮮戦争帰りの兵隊くずれが社会の落ちこぼれとなってしまったように、またもベトナム帰還兵から、多くの社会からの落伍者を生み出してしまうだろう
それを本作は言わんとしていると思うのです
ライトフットの運命が、ベトナム帰還兵達を待ち受けている運命なのではないのか? そんな不安が覆うラストシーンでした
しかし荒野の一本道は、あくまでも明るく青い空の下どこまでも続いているのです
結局主人公は、死んでしまったライトフットを乗せてその一本道を大型車でいずこともなく走り去っていきます
大金を得ていますが、虚しく苦々しくなにも楽しくも嬉しくもないのです
大型車はアメリカの暗喩そのものです
つまり、ラストシーンとは1974年のアメリカの姿だったのです
ベトナムから引き上げて平和を得たのは良いことだ
でも、それが一体何なんだ
戦地で悲惨をなめ尽くして帰還した若者たちに、これからアメリカは一体どうしてくれるというのか
本作はそういうメッセージだったのだと思います
それが本作のテーマだったのです
このテーマが次回作「ディア・ハンター」につながっていくのだと思うのです
サイゴン陥落のニュース映像と、この間のアフガンのカブールからの撤退はスケールを大きくした相似形でした
テロ戦争の20年は、ベトナム戦争と同じくむなしく無に返ってしまったのでした
20年、ほぼまるまる一世代
一体何だったのだと虚しく、苦々しくその映像を視る21世紀の私達は、公開当時に本作を観人々と同じ思いであるのかも知れません
エンドクレジットに流れる曲は、「Where Do I Go From Here」
ポール・ウィリアムスの1972年のアルバム曲
ここから俺達はどこへ行くのか?と監督からのストレートなメッセージでした
21世紀の私達もまたここからどこへ行くのでしょうか?
ジェフ・ブリッジスも忘れないで
2020年11月22日
映画 #サンダーボルト (1974年)鑑賞
原題は、THUNDERBOLT AND LIGHTFOOT と主人公二人の名前だったのに、邦題では一人だけ、ポスターもそう
バディものなのにどうかな?
#クリント・イーストウッド の方だけ残しとけばいいとなったのかな🤔
#ジェフ・ブリッジス ファンは怒るよね😠
アメリカン・ニューシネマにアクションを
思ってた程アクションシーンが盛り沢山な訳でも無く単純に銀行強盗モノとも違う。
イーストウッドが追われている理由が解らない序盤から強盗準備の金を稼ぐ労働シーンの中盤にメインの銀行強盗からの終盤戦と色々な展開。
70年代って時代からか「真夜中のカーボーイ」や「スケアクロウ」にも似たラスト。
〜70年代の車を観ているだけで楽しいしヤンチャで若々しいJ・ブリッジスにチョイ役なG・ビジー(ビューシーとも?)とキャスト陣も渋い。
単調なアクション映画にはしないM・チミノの良さが出ている。
イーストウッドのロードムービー。ジェフ・ブリッジスがいい味出してま...
イーストウッドのロードムービー。ジェフ・ブリッジスがいい味出してます。邦題では役名が消されててかわいそう(笑)
ストーリーは個人的にはワクワク度は低かったかな。世間的な評価は高く、ニューシネマ好きな人にはたまらん作品のようです。
エンディングの歌と風景が良かったです。
ずいぶん前に見て、午後ローで録画していたのをまた見た。その間に阿...
ずいぶん前に見て、午後ローで録画していたのをまた見た。その間に阿部和重さんと伊坂幸太郎さんの『キャプテンサンダーボルト』を読んで、見返さなくてはならないと思っていた。
雰囲気やテーマはとてもいいのだが、モヤモヤすることがたくさんあった。
わざわざ、トイレに侵入して女装する意味あったのだろうか、家で変装して車で行けば済んだでのはなかっただろうか。巨大な機関銃が大活躍するかと思ったら2発打っただけだった。確かにすごい破壊力だったが、もっとすごい破壊を見たかった。車の後ろに乗ってずっと隠れているのは意味があるのか? そのせいでいろいろおかしくなっていた。
イースドウットの名作!
父にすすめられて観たが、すごい面白い!
とても大好きな映画の1本になった。
ただ、仲間と協力して大金を盗むだけじゃない。
映画のラストは泣きたくなる!
多分これが男の友情なんだな。
エンディング曲もとても素晴らしい。
絶対、観たほうが良い。
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