劇場公開日 2005年5月21日

「ネカマでストーカー男vs変態医師。更に嘘つき女が加わって壮絶なバトルを繰り広げる!」クローサー(2004) kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ネカマでストーカー男vs変態医師。更に嘘つき女が加わって壮絶なバトルを繰り広げる!

2020年5月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 「カラダを重ねるたびに、唇が嘘を重ねる」などというコピーのため、一体どれだけの嘘をつくのか?と身構えて注意深く観察した(つもり)。し、し、しかし、カラダを重ねないではないですかっ!途中でこの事実に気づいてしまったため、嘘を見抜いて数えてみせるという壮大な計画はもろくも崩れ去りました。唯一確実な嘘は、魚は嫌いだと言ってたのにツナサンドを食べてたことですか・・・

 ストーリーそのものはよくある二組のカップルなのでしょうけど、言葉のコントラスト、時間の経過の大胆なカット、ベッドシーンのカットなどによって、登場人物の微妙な心理状態を謎かけのように観客に投げてくる演出が素晴らしい。コントラストといえば、アメリカ人の2人の女性とイギリス人の2人の男性という対比も面白いです(frogとtoadのやり取りなんかも・・・)。一つ一つの台詞が全て後の会話に繋がるという脚本の妙。「盗んだのね?」「いや、借りただけ」のようにしゃれたやり取りが心地よかった。

 好きなシーンはもちろんアダルトチャット。Nice 2 meet u. に代表されるように英語のチャット用語がスクリーンいっぱいに流れてくる。ジュード・ロウのネカマぶりとクライヴ・オーウェンの変態ぶりは最高に笑えるところだ。それにしてもロウのタイピングは速すぎ・・・オーウェンも興奮してか、焦りのためか、スペースを入れ忘れていました!

 それにしても、浮気をしたという正直な告白なのか、嘘をついてテストしてるだけなのか、ベッドシーンが全く無いので本心を読み取る楽しめました。俳優に関しては、ナタリー・ポートマンが小悪魔的なのに純真な愛を貫くという姿に胸キュンになってしまいました。ラストは微妙でしたけどね。

 映画館を出るときに「単なる変態オヤジだったね~ははは」という女性の会話が聞こえてきて、つられて笑ってしまいました。

〈2005年5月映画館にて〉

kossy