「「北風と共にやって来た母娘がチョコの甘くほろ苦い癒しの魔法で村人の心を優しく解きほぐしていく心暖まる物語」な~んて思ったら大間違い。かなり苦いビター味。だけど最後は南風が吹いてきて心暖まる。」ショコラ マサヒロさんの映画レビュー(感想・評価)
「北風と共にやって来た母娘がチョコの甘くほろ苦い癒しの魔法で村人の心を優しく解きほぐしていく心暖まる物語」な~んて思ったら大間違い。かなり苦いビター味。だけど最後は南風が吹いてきて心暖まる。
◆まず、1番感動して思わず「ヨシ」ってコブシ握っちゃったところ。
後半、ヴィアンヌとアヌークが村を去るのを思いとどまり店に戻る。ドアを開けると、そこには店を切り盛りしてチョコ作りをテキパキ指示するジョセフィーヌの姿があった。
少し前に、2人が村を出ていくのを知ったジョセフィーヌが絶望してしまう場面があって、ジョセフィーヌはこのあと一体どうするんだろうと思ってた。だからこの場面を見て、ジョセフィーヌは自分の足で歩いて行こうって決めたんだって思った。
突然だったんで、ジョセフィーヌが踏み出した1歩に、「よっしゃー、ジョセフィーヌやったね」と嬉しくてコブシを握ってしまったのだよ。
◆あと、「あっ、ヴィアンヌも古い因習にとらわれていたんだ」と思って印象に残ったところ。
ヴィアンヌが村を出ようと決め、嫌がるアヌークと階段を降りてる途中で鞄が開いてしまって母親から譲り受けた鍋(?)が割れてしまった場面。割れた鍋を見てヴィアンヌは村にとどまる決心をする。割れた鍋を見てヴィアンヌが「お前はわたしと同じ放浪の旅をする必要はないんだよ」という母親からのメッセージと思ったかどうかは分からないが、とにかく村をとどまる決心をする。
鍋に入っていた母親の遺灰らしきものを窓から風に吹き流して母親からの呪縛とオサラバする場面と合わせて印象に残った。
因習にとらわれていたのは村長や村人だけじゃなかったんだ、ヴィアンヌもそうだったんだと思ったしだいであるよ。
◆イケメンヤローのジョニー・デップのヤローのことだ。
僕は「パイレーツ」で元の顔が分からないジョニー・デップしか知らないから、何でこんなに人気があるんだろうと思っていたが、この映画で人気の理由が分かった。
今さらここでボクが言うまでもないだろうが、何じゃこりゃってぐらいスゴいぞ。ジョニ~。
中盤ぐらい迄なかなか出てこなくてジョニー・デップを見に行ったファンはヤキモキしたことだろう。まあ僕的にはイケメンは人類の(正確には僕の)敵なのでずぅ~っと出てこなくても良かったのだがそうもいかない。
最後に南風として戻ってきてメデタシメデタシ、ハッピーエンドである。ヤロォ~。
◆牧師(神父かも)が優しさや寛容を言うとこも良かった。禁欲と自戒も大事であるが、どうも苦手なので自堕落な生活が続く。
◆(映画にほぼ無関係な余談)
この映画を見たのは初めてだが話題に出ると思い出すセリフがある。マルスミゼルのアルバムの中のセリフだが、フランス語なので分からない。アルバムをダビングしてくれた人はマルスのガックン(Gackt)のファンで、その人に訳してもらった。
Je m'en souviens comme si c'était hier.
(それを)まるで、きのうのことのように覚えている。 あるいは
(それは)まるで、きのうのことのように思い出される。 ← こっちの日本語のほうカッケーと思って好きである。
ガックンといえば、今年(2024)の芸能人格付けでGacktと組んだDAIGOのGNK(Gacktさん殴ってください)が笑えた。