劇場公開日 1968年4月20日

「思考の相対化をもたらすという意味で、2001年宇宙の旅と並ぶSF映画の金字塔」猿の惑星 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0思考の相対化をもたらすという意味で、2001年宇宙の旅と並ぶSF映画の金字塔

2019年2月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

言わずと知れたSF映画の超有名古典
1968年4月公開、2001年宇宙の旅と同時期になる
奇妙なことにそのちょうど10年後にはスターウォーズと未知との遭遇も公開時期が重なった
結末のオチは今では本作を観てない人でも知っているほど

SFの役割とは何か
それは思考の相対的化なのだと思う
物事の見方の固定観念を相対化したときに、新たな価値観が自分の中に生まれ、同じものを視ているのにもかかわらず、違う見方によってそれが全く異なる光景に見える
その時、私達の思考は固定観念の重力から解き放たれて高い空中から俯瞰して考える事ができる自由を得たと言える
それがSFの本当の醍醐味であり役割なのだと思う

本作はそのSFの役割を存分に果たしている映画だと言える
突っ込みどころは山ほどあるからSFのうるさがたには本作は受けは悪い
しかし、本作ほどSFの役割を果たしている作品はそうないのではないか
その意味で本作は2001年宇宙の旅と並ぶ、SF映画の金字塔なのだと思う

本作は第二次大戦時に日本兵に捕虜になった白人の屈辱感が元になった人種差別的な作品であると揶揄する向きもある

だか原作はともかくSF映画の本作を、それをもって非難するのはあまりに表面的過ぎはしないか?

白人至上主義者の目が本作によって、思考が相対化されたなら、彼らの人種差別的思考はどうパースペクティブが変わるのか?
本作を観終わったあと去来する思いは何か?

文明とは何か?
人間とは何か?

本作を深く深く考えて観るならば、そのような疑問に行き当たるはずだ
第一、猿の信奉する宗教感はキリスト教そのものを反映して進化論を否定している白人至上主義者そのものの姿ではないか
その思考に至った時、彼の脳裏には人種という序列は相対化されてしまっているのではないだろうか?

そして更に思考を進めるならば、
本作は猿であったが、人工知能による機械ならどうなのか?
遺伝子工学による人造人間ならどうなのか?

前者ならターミネーターであるし、後者ならブレードランナーだ

このように本作はSF映画として巨大な影響をもたらしたといえる
正にSF映画の金字塔だ

あき240