劇場公開日 2002年8月3日

チキン・ハート : 映画評論・批評

2002年8月1日更新

2002年8月3日よりユーロスペースほかにてロードショー

池内、松尾、忌野トリオが絶妙の間

誰が言ったか、「悲しい時に笑える人間こそ強いのだ」という。この映画の主人公・岩野、丸、浅田は、それぞれ挫折を経験し、何をするでない日々を過ごしている。そんなダメ男たちの人生を、清水浩監督は小刻みなギャグの応酬で描いて見せた。乾いた笑いの後に残る空しさよ。切ない。

清水監督は男たちの友情と別れを描きたかったという。ポイントは主役の3人。一見アンバランスに見える池内、松尾、忌野トリオだが、これが絶妙の間で笑いを誘う。特に、最近注目を浴びているわりに、ワンポイント出演ばかりでその魅力が存分に発揮できなかった松尾。彼の朴訥とした個性を、見事、丸役に当てはめている。何事も一生懸命に励んでいるのに、どこかズレている。味わい深いが、大事件が起こらない脚本の弱さを、キャストが補っているように思えた。

それにしても、「友情」や「」を語る照れ臭さを、ユーモアでカバーしたストーリーといい、カメラワークやテンポといい、北野武監督の「菊次郎の夏」を彷彿。ご存知、清水監督は北野作品の助監督を長年、務めていた。決して模倣ではない。センスや笑いのツボが非常に似ているのだろう。

(中山治美)

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