「芸の道も愛の道も激しく険しく美しい」さらば、わが愛 覇王別姫 iccoさんの映画レビュー(感想・評価)
芸の道も愛の道も激しく険しく美しい
壮大な愛の物語であった。
まさに命をかけた愛の日々だったわね。。
愛で救われ、傷つき、失い、また救われての繰り返し。
時代と芸の道に翻弄され続けながらも生き延びられたのは、彼がいたから、なのに。
京劇の美しさはいうまでもなく、一番憎いけど一番相手の気持ちがわかる二人の激しく燃える嫉妬の炎が美しかったわ。
彼女たちにとっての彼は間違いなく生涯唯一の人だろうけど、彼にとっての彼女たちはどっちだったんだろう。
母の狂気も含めて、子ども期の修行と呼んで良いか迷う過酷な成長期があまりにもしんどく、成長後も改革期の不安と緊張、壮絶な暴力、観てるだけで心がやられてしまって疲労感が半端なかった。
凄い時代だったわね。。
新しい時代になる前の、全ての血肉までも入れ替えて生まれ変わるような、激しい脱皮の時期だったのだろう。
新しい世代では自分が習ってきたやり方すら古くなり受け入れられず反発をよぶ、それはいつの世の変化の代もそうだと思うけど、ここまで過激な命の危険を感じる代替わりも滅多にないだろうな。
いや、そもそも新しいものが京劇と呼ばれるものであるかは別として。
なんかとにかくとてもとても壮大で、これ以上ないくらい重く激しい愛を観たわよ。
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