劇場公開日 2023年7月28日

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「芸術的でありながらエンターテイメント性のある映画」さらば、わが愛 覇王別姫 mac-inさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0芸術的でありながらエンターテイメント性のある映画

2025年3月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

4Kで劇場で鑑賞。

好きな映画で、93年の公開時見て、それまでの中国映画らしくなく深みのある映像で洋画を思わせるクオリティにびっくりした記憶が。日本映画は越されたなと。

今回見ると、スモークを焚いているシーンがほとんど(外も内も!)。リドリースコットのよう。重要な場面は必ずと言っていいほど焚いている。当然画面構成が素晴らしい。で、効果的に主役3人のアップが挿入される。

シーンシーンが、一幕もののように象徴的にまとめられていて、それをぶつ切りのようにつなげる構成。これが生きている。(京劇みたい?)
いつもクライマックスを見せられている感じ。
で、ラスト、潔い終わり方。
芸術的でありながらエンターテイメント性のある映画。

話の内容は、主要3人(レスリー・チャン、チャン・フォンイー、コン・リー)の三角関係。1920年代から1980年代の中国で、時代に翻弄された3人を描く。「フォレスト・ガンプ」と同じ構図。
ただ中国でよく作られたなと改めて思う。体制批判的なのに。

レスリー・チャンは、鬼気迫る演技で、自殺は残念だったけど、納得してしまう。繊細すぎるのかなと。
コン・リーは、この頃は確かに百恵ちゃんに似ている。レスリー・チャンの繊細な人工的な美しさと、コン・リーの「本当の」女性の色気と美しさ。この対比がいい。

現像は「東京現像所」だった。この現像所は2023年に閉鎖した。フィルムの時代の終焉。4Kレストアなどデジタル系作業は、東宝のスタジオに移るので、無くなったわけではないけど。

チェン・カイコーはその後も何本か見たけど、あまり印象に残るのはなかった。
また見直してみようと思う。

mac-in
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