「混乱に陥る」カポーティ Curveさんの映画レビュー(感想・評価)
混乱に陥る
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「冷血」とは罪のない家族を四人も殺した犯人達なのか、それとも。
見ているうちにトゥルーマンの真意がどこにあるのかわからなくなる。
彼らを救いたいのか、そうでないのか。もしくは単に作品を書くための道具でしかないのか、本当に友情を築こうとしているのか。
見ている私たちだけが混乱しているのではない。
トゥルーマン自身も混乱しているのだと思った。
彼は人前に出ると軽口を叩く。
ほんの少し真意を乗せて残りはオブラートにくるむ。
しかし自身の作品に対しては真摯だ。
だからこそペリーの刑執行に立ち会ったのだろう。
作品の完成に渇望しながら友人には生きてい居てほしいという葛藤の中その瞬間を見守り、遂に心に深い傷を負ってしまったのではないだろうか。
トゥルーマンはアダルトチルドレンだったと思う。
当時は数少ないゲイのカミングアウト者でヤク中でアル中。
作中出てくる「同じ家に生まれ、正面玄関から出て行ったのが自分で、裏口から出て行ったのが彼だ」というセリフは彼ら二人を見事に言い表している。
映画上の演出かわからないがペリーには絵の才能があった。
トゥルーマンのそれの様に環境とチャンスさえあればペリーにも違う人生があったのだ。
私は前情報を仕入れずに観賞した。
なのでエンドロールでフィリップ・シーモア・ホフマンと出てきて驚いた。
マネーボールのあの頑固な監督!?
トゥルーマン・カポーティの動く姿はおろか肉声も聞いたことがないので似ているかはわからないが、そんな人間にも圧倒的な説得力でカポーティを演じていたと思う。
完全に完全な余談だが、私はトゥルーマンの喋り方がローリー寺西に似てるな、と思ってから少し雑音に変わった。
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