「【”破壊工作により起こってしまった悲劇。”今作は、サスペンス作品の逸品であるが、哀しき作品。目的達成のために手段を選ばないテロリストの末路も悲劇である。】」サボタージュ(1936) NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”破壊工作により起こってしまった悲劇。”今作は、サスペンス作品の逸品であるが、哀しき作品。目的達成のために手段を選ばないテロリストの末路も悲劇である。】
■映画館を経営する若妻(シルヴィア・シドニー)とその若き弟スティービーと暮らす破壊工作員・ヴァーロック(オスカー・ホモルカ)。
善良な市民を装いつつ任務の遂行に神経を尖らせる彼に、次第に臨家の八百屋の店員に化けたテッド・スペンサー刑事の監視の目が向けられる。
身動きが取れなくなった彼は、やむなく時限爆弾の包みを妻の弟に託す。
真実を知らない少年に、爆発の瞬間が迫る。
◆感想<Caution!内容に触れています。)
・”鳥は、一時45分に鳴く”と言う、破壊活動の仲間達の合言葉を知らずに、運び屋をさせられる少年スティービーが、スペンサーと姉とドキドキしながら、楽しそうに高級料理店で食事をする嬉しそうな姿と、爆発のシーンの対比が哀しい作品である。
ー 資料を読むと、ヒッチコック監督もこの構成には、少し反省したらしい。-
・弟を殺された姉で、破壊工作員・ヴァーロックの妻が、夫の依頼により野菜煮込みを作るシーンもハラハラドキドキである。
<ラストは、善性在るテッド・スペンサー刑事により、逃がされたヴァーロックの妻の哀しくも複雑な表情。
ヒッチコック監督作品は、今まで観た作品は全てハイレベルの作品であり面白く鑑賞しているが(彼の監督で駄作ってあるのだろうか?。)今作は、その中でも哀しき余韻が心に残ってしまう作品である。>
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