「心にいつのまにか残ってる静かなコメディ」ブロークン・フラワーズ あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)
心にいつのまにか残ってる静かなコメディ
優柔不断でだらしないが仕事の成功を収めた独身貴族男。女からはモテモテ。それでも人生どこか物足りない。この役にビル・マーレイを持ってくるなんて、ジャームッシュ監督冴えすぎです。
そんな男が晩年をむかえ、匿名の手紙で自分に子供がいることを知らされ、三千里の旅に(どこかいやそうに)でるわけです。
昔つきあっていた数々の女に会うとはどういう心境なのか?そして手紙の主は誰で子供は本当にいるのか?ビル・マーレイのどこかとぼけた表情と、それを裏返すような行動力のコントラストが、旅をつづけていく主人公の「本当の心」を徐々に浮き上がらせていく。ラストの表情に不覚にも涙しそうになりました。男ってひょっとしたら悲しい生き物なのかもね。
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