「虚しい日々のミライ」アカルイミライ ツネさんの映画レビュー(感想・評価)
虚しい日々のミライ
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・虚しさは何をしても付きまとう感覚がある。好きな女性と付き合えたから虚しさが消えるわけでもないと決め込んでいる。そもそも好きな女性もいない状態。行きたい場所が仮にあって行けたところで、その時はとても感動したりしても虚しさの揺り戻しにあって結局虚しかったという気持ちが勝つ。
・そんな日常に対してどうするのかなぁと思ったら赤クラゲを育てて、理屈を超越したクラゲが床下で生存、穴を掘って脱走。川を埋め尽くすほどの繁殖。あり得ない気がするけど何だかありえそうと思ってしまう世界観が良かった。乃至はそうあってほしいという気持ちが沸いていった。黒沢清監督作品に共通してある背景の違和感がクラゲの脱走にも説得力を持ってくる気がした。現代劇に背景でファンタジーですよっていう説明をしている気がする。
・虚しさというのはとてもきつい。何をしても虚しいと感じたら全て虚しくなる。そんな状態の青年2人がどう生きるのかとなると何となく憂さを晴らしてまた虚しくなるのが現実的な話かと思う。そういう事になると何をどうするとかがわからない映画でこんなに面白い映画があって驚いた。加えて虚しさがどういうものか分かっている感じが凄くして救いも感じられた。
・ストーリーを振り返ると説明できない。ただオダギリジョーと藤竜也が浅野忠信に振り回された話かと思う。ただただ、どうなっていくんだろうという期待が続いた。結局、虚しさを解消する完全な答えはないわけだけど、虚しさを忘れさせてくれる映画だった。
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