劇場公開日 2003年1月18日

「見逃してはいけない傑作」アカルイミライ ダース平太さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0見逃してはいけない傑作

2008年8月12日

泣ける

悲しい

幸せ

名優ショーン・ペンが、「プレッジ」以来6年ぶりにメガホンを取った「イントゥ・ザ・ワイルド」は、劇場を出た後も余韻が続く、[これぞ映画!」と思える映画らしい映画で、とても感動的だった。これは見逃してはいけない傑作だと思う。

物語は、自分ひとりの力で生きるべく全てを捨ててアラスカを目指した少年が、アメリカ大陸を横断する途中で様々な人々と出会い、それらの人々と交流を重ねることで家族との問題を見直し、大事なことに気がつくのだが……という話なのだけど、実話がベースになっているだけあって、かなり衝撃的でした。でも、すごく丁寧に主人公の感情の動きを追っているので、自然と胸が熱くなってしまうシーーンが多々ありました。中でもアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた、ハル・ホルブルックとの共演シーンと、ラストのシークエンスは必見!

それからアメリカ大陸の様々な表情やアラスカの雄大な自然を切り取った映像が本当に美しいです。その景色を観るだけでも十分おつりが戻ってくる作品ですね。ちょっと残念だったのは音楽が冗長だったことだけど、エモーショナルな楽曲が多いので、不満ってほどではありません。もう1~2回は劇場で観ようと思います。

ダース平太