劇場公開日 2003年1月25日

「マット・デイモン 出世作のスパイアクション第1弾」ボーン・アイデンティティー bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0マット・デイモン 出世作のスパイアクション第1弾

2023年12月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

難しい

劇場でも観たが、レビューしてなかったので、改めて鑑賞。

マット・デイモンと言えば、この『ボーン・シリーズ』が代表作であり、彼がハリウッド・スターの地位を築いたのも本作とも言える。まだ若かりし頃のシュッとした精悍な顔立ちのマット・デイモン。迫り来る危機から、傷つきながらも次から次へと躱していくスパイ・アクション5シリーズの一作目。(但し、4作目は番外編といったアナザー・ストーリーとなっている)

本作は、マット・デイモン演じるジェイソン・ボーンが、国家政府によって創られた最強無敵の暗殺者として、相手を一瞬内に片づけてしまう高度な戦闘能力を披露し、当時はまだ、VFXに頼らない、本物のアクション・シーンが見どころ。そして、ボーンが暗殺者としての記憶を失い、自分が何者であるかというアイデンティティを探し求める、ロード・ムービー的な部分がある一方で、共に行動することになった、フランカ・ボテンテが演じるマリーとの恋の行方も気になるところ。

一つ一つのシーンに無駄が無く、全てボーンが何者であり、何故追われる身となったのかという、ミステリアスな部分の謎解きに向けて、大切な億割を担っている。また、『トレッドストーン』がキーワードとなって、ボーン自身だけでなく、その上官やほかの暗殺者もまた、全てが国家の捨て駒であることが痛く印象に残る。

物語は、嵐の中、銃弾を受けて瀕死の状態で漁船に発見されたボーン。自分が何者であるのか、全く記憶になく、彼の皮膚内部に埋め込まれていた、マイクロチップが示したスイス銀行を手掛かりに向かう。そこには拳銃、大金、多くの国のパスポートが保管され、そこから警察とCIAからの暗殺者の双方から命を狙われ、ひょんなことから知り合った、マリーと共に逃亡することに…。

赤のクーパーでのカーチェイスは、小さい車だからこその狭い路地の、臨場感あるシーンを映し出していた。階段を逃走するシーンは、その後、いろいろなアクション・シーンでもよく見られるようになった名シーンと言える。

『ミッション・イン・ポッシブル』とはまたひと違う、人間臭いボーンが、ハラハラ・ドキドキの体一つの体当たりアクションで、観る者を魅了する、スパイ・アクションの金字塔と言える。

bunmei21