「明らかに「ポンヌフの恋人」への敬意が感じられます」ボーン・アイデンティティー あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
明らかに「ポンヌフの恋人」への敬意が感じられます
ボーンとは主人公の名前で、骨ではありません
スペルが違います
つまりタイトルは主人公ボーンの正体くらいの意味です
なので1999年の映画「ボーンコレクター」とはなんの関係もありません
カタカナの邦題では紛らわしいかも知れません
素晴らしいアクション映画で、21世紀のアクション映画を牽引する出来映えです
もう20年近く経つのに全く古びていません
それだけ一級品の映画だということです
マルセイユ、チューリッヒ、パリ、リヨンそしてまたパリ、ラストシーンはエーゲ海の真珠ミコノス島と絵になるところばかりを駆け巡りますから、観光気分も楽しめます
カメラも美しい映像で満足できます
ホテルレジーナはルーブル博物館のすぐそば徒歩5分くらいに実在しています
ポンヌフ橋はルーブル博物館からさらに徒歩5~6分のところにあるパリで一番古い橋
1991年のレオス・カラックス監督の映画「ポンヌフの恋人」の舞台ですから、その作品のファンは嬉しくなってしまいます
その映画では、橋の北詰に建つサマリテーヌ百貨店の屋上で夜どうし青く光っていた看板のところに、本作ではボーンが陣取って橋を監視するシーンがあります
しかも、本作のヒロインのマリーが髪を切ったスタイルは、「ポンヌフの恋人」のヒロイン、ミシェルがしていた髪型にどことなく似ているのです
明らかに「ポンヌフの恋人」への敬意が感じられます
ぜひそちらの映画もご覧下さい
ラストシーンの甘さがより引き立つと思います
数冊の名前が違う旅券のシーン
本作のようなスパイ映画だけの事と思っていたら、3年前カナダで逮捕された中国ファーウェイの最高財務責任者(CFO)が8冊も旅券を所持していたという記事を思い出しました
しかも美人女性
事実は映画を超えつつあるようです
それだけ本作はリアリティがあるということでしょう