「誕生を祝いたい」ボーン・アイデンティティー D.oneさんの映画レビュー(感想・評価)
誕生を祝いたい
記念すべきシリーズ第1作目。
まずは心から映画ボーンシリーズの源流となった本作、ボーンアイデンティティーの誕生を祝いたいです。
本作はもともとブラッドピット主演で行われる計画があったらしいですね。彼がボーンを演じていたら全く別のテイストになっていたに違いありません。記憶を失い、自分が何者なのか苦悩する孤独な青年をマット・デイモンは見事に演じ切りました。マット・デイモンには彼にしか醸し出せない味があります。ボーンはもはや彼以外には考えられません。
ダグ・リーマンによる奇跡的な配役とマット・デイモンによる素晴らしい演技によって本作が生まれたんです。
本作、ボーンアイデンティティーにおけるダグ・リーマンの最大の功績は、今までのアクション映画にはなかった演出を取り入れたことです。そしてその精神は第2作、ボーンスプレマシーのポールグリーングラス監督へと受け継がれてより高い次元へと洗練され、確立されました。
ポールグリーングラス監督による第2作 ボーンスプレマシー、第3作 ボーンアルティメイタムの方が映画における革命性や斬新性に溢れており、彼のみに評価を向けられてしまう傾向があります。
しかしながら本作では、第2、3作よりもボーンの心の葛藤や人間性が最もよく描写されています。本シリーズの中でマット・デイモンの演技を最もよく堪能できるのではないでしょうか。
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