「若かったなあ」処刑人 小二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
若かったなあ
決め台詞を言うときのショーン・パトリック・フラナリー&ノーマン・リーダスが半笑いに見えるんすよ、私には。
馬鹿馬鹿しいお話に付き合ってあげてる感がアリアリで。
俺、こんなの本気じゃないっすよ感が満載で。
ほんと、馬鹿馬鹿しい話だから気持もわかる。当時はフラナリーもメジャーな映画に出てたし、ノーマンもダーバンのモデルさんとして活躍してたから、なぜ俺等がこんなことしなきゃいけないの?っつうのもわかる。
でも、ダメだなあ。若いなあ。
ウィレム・デフォーやビリー・コノリーら、おっさん達は何の違和感もなく演じとるがな。
おっさん達のツラの皮の厚さを見習えよと言いたい。
コメディアンなコノリー(「カルテット!」でハートウォーミングな役をやっていた…)は何やってもいいとして、名優デフォーが、映画の馬鹿馬鹿しさの更に上をいくマイペースぶりで。
デフォーのマイペースが崩れる作品ってあるんだろうか?
「スパイダーマン」な大作映画でも、「イングリッシュ・ペイシェント」な文芸作品でも、「ワイルド・アット・ハート」なリンチ映画でも、もちろん「プラトーン」でも、常にマイペース、デフォーはデフォー。(かといってチームワークを崩してる訳でもない)
「ジョン・カーター」サーク族でさえ、顔がわからなくたってデフォーはデフォー。
デフォーのマイペースが崩れてる映画があったら観てみたい。
--
本作から約10年たったパート2では、フラナリー&ノーマンの半笑い感もすっかり消えて哀愁さえ漂うほどに。なんつうか、歳を経た2人の苦労がしのばれて、鼻の奥がツーンとなりました。
------
追記(2014年2月):「デフォーのマイペースが崩れてる映画があったら観てみたい」と書いたが…最近観た『エレニの帰郷』は、デフォーが思いっきり崩れてた。ブルーノ・ガンツ、ミシェル・ピッコリら超オッサンに囲まれてヒヨっ子感満載、デフォーこんなに下手だったかとある意味衝撃的だった。が、後から考えてみると「ヒヨっ子感」を出さねばならぬ役ドコロで、デフォーのダメぶりは正解だったんだなあとも思う。