劇場公開日 2001年2月17日

「ブラック・ユーモア全開一歩手前の特異な犯罪映画」処刑人 Gustav (グスタフ)さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ブラック・ユーモア全開一歩手前の特異な犯罪映画

2020年4月29日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ボストンを舞台に、ロシアマフィアからイタリアマフィアと、次々と極悪人たちを殺害しながら神に忠誠を誓うクリスチャン兄弟の雄姿と、敏腕FBI捜査官ウイリアム・デフォーの捜査解説をカリカチュアした喜劇的宗教啓示(刑事)犯罪アクション映画。人間が作った法のみですべての罪人を裁けないからといって、一般人が殺人行為をしてよいものかの真面目な理論からは対極にあるコンセプトの異色さ。ラストのドキュメント的インタビューのモンタージュに、自らを揶揄する危険な映画作りの楽しみ。いい意味で製作者たちが映画を面白がっている。ショーン・パトリック・フラナリー、ノーマン・リーダス共に好演だが、兄弟の個性の違いを際立たせれば、もっと面白くなり演技も輝く。途中の殺人鬼が登場してからの脚本省略が勿体ない。

Gustav