劇場公開日 2006年9月23日

記憶の棘のレビュー・感想・評価

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4.0大人の恋愛の複雑さ?

2022年9月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

大人の恋愛は、単純なものではなかったと言うことだったのでしょう。
10歳の少年であるショーンが考えたよりも、ずっと。
そして、ショーン(夫)の死で、記憶の中に棘を持ってしまっていたアナの、その記憶の棘に、運悪く、ショーン(10歳の少年)が引っ掛かってしまったと言うことでしょうか。
切ないラブ・ロマンスだったと思います。評論子には。

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talkie

3.5モヤる終わり方。映像の質感とニコールキッドマンの演技力が際立ってい...

2020年11月24日
スマートフォンから投稿

モヤる終わり方。映像の質感とニコールキッドマンの演技力が際立っていた。ミステリー特番みたいな海外番組で似たような内容の話しがあってそっちは感動したんだけど。出だし似ていただけだった。輪廻とか奇跡とかではない。

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collectible

3.0ニコール・キッドマンの演技が見事

2015年12月16日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

アナの夫のショーンはジョギング中に倒れて亡くなってしまう。十年後、新しい男性と結婚することになったアナのところにひとりの男の子が現れる。彼は自分のことをショーンだと名乗る。つまり、ショーンの生まれ変わりなのだと。最初はそうは信じられなかったアナも、もしかするとその男の子はショーンなのではないかという疑いを抱くようになる。男の子はアナ、あるいはアナの家族しか知り得なかったことを次々と語るようになる。果たして彼はショーンの生まれ変わりなのか? ショーンに対する未練を捨て切れなかったアナは、次第にそう思うことになるが……これがこの映画のプロットである。

何処か冷ややかな質感を伴った映像にスタンリー・キューブリック『シャイニング』や『アイズ・ワイド・シャット』を思い出したのは私だけだろうか。特に『アイズ・ワイド・シャット』は同じニコール・キッドマンが主演している作品だけあって、あの凄まじい遺作の域にある程度までは近づいているように思う。流石にこの映画よろしくキューブリックの「生まれ変わり」と思わせるにはまだまだ……という印象があるが、それでもマーク・ロマネク『わたしを離さないで』と同じく、ツルツルと魅せる映像美がなかなかのものだと思う。ニコール・キッドマンの顔のアップの長回しには迫力がある。

監督のジョナサン・グレイザーは元々は MV 畑の監督なのだそうで(だから同じ MV 畑出身のマーク・ロマネクの名を引き合いに出したのだが)アンクルの「Rabbit In Your Headlight」のヴィデオなどを手掛けているらしい。そういう出自の監督が往々にしてそうであるように、先にも書いたが映像はなかなかの迫力がある。スジもヴェテランのジャン=クロード・カリエールが参加しているだけあって、かなり練り上げられたものとして成立している。その意味で、見過ごされがちな映画という印象を抱くがなかなか楽しめる映画として私には映った。

ニコール・キッドマンの演技が冴えている。私は不勉強なものでニコール・キッドマンという女優に対しては(前述した『アイズ・ワイド・シャット』を観てはいたものの)これと言って関心を払って来なかったのだけれど、ショートヘアの彼女の佇まいには鬼気迫るものを感じる。この映画は宮崎哲弥氏の『映画365本』という著作で知ったのだけれど、『ドッグヴィル』の頃からニコール・キッドマンは演技に一段と凄味が増して来たのだそうで、『ドッグヴィル』を観てない私としてはまたしても不勉強を痛感させられた。これはなにをさておいても観るべきなのだろう。

ショーンの生まれ変わり(?)を演じるキャメロン・ブライトもまたなかなかの演技を見せている。調べたところによるとこのキャメロン・ブライトは『バタフライ・エフェクト』にも出演しているのだそうで、全然気がつかなかった。天才子役……と言ってしまえば凡庸だが、ニコール・キッドマンの存在感に釣り合う不気味と言えば不気味な、あどけないと言えばあどけない佇まいを良く現していると思う。ふたりが一緒に入浴するシーンはエロティックで、でも先ほどから何度も名を出しているキューブリックの作品がそうであるように官能的であるにしても何処か冷え切った、静謐さの中に凄味があるものとして結実しているように思う。

この映画のタイトルは「Birth」だという。つまり「Rebirth」ではないのだ。そこからもう察しの良い方はショーンの正体を割り出してしまうかもしれない。だがそうなると、ショーンの行動のあちらこちらに「何故そんなことを?」という謎が残ることとなる。そのあたりも掘り下げて描かれていればと惜しく思わなくもないが、流石にそれを描くと蛇足という印象も強くなるのだろうからこの短さ(100 分)で切り上げたのは正解なのかもしれない。小ぶりな印象を与えるが、コンパクトに纏まった良い映画であると思う。これ以上のことは今の時点では書けそうにない。

ラスト・シーン。ネタを割ることになるかもしれないが、アナはウェディング・ドレスを着て五月の砂浜に佇み、打ち寄せる波に己を晒すことになる。アナの恋は悲恋で終わってしまったのだ。このあたりも前夫との生活が回想シーンとして挟まっていれば……と惜しく思わなくもないが、そういう手法を禁じたところもまた監督や脚本家たちの工夫なのだろう。結果として人間の持つ不気味さ、一触即発の危険な事態を描くことに成功していると思う。あまりこういう薦め方はしたくないのだけれど、貴方が少年愛/ショタが好きであるなら見逃してはならない映画であると思われる。個人的にはニコール・キッドマンの映画をもっと追って行きたいと思わされた。

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踊る猫