ビヨンド the シー 夢見るように歌えばのレビュー・感想・評価
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ビヨンドtheシー 自分を探しに海へ 海の彼方にこんな歌い手がいたのです
伝説の歌手にしてエンターティナー、ボビー・ダーリンの伝記映画。2004年製作。
黄色い薔薇を贈り続けて、ついに共演者サンドラを落とす彼。
努力と実力で檜舞台へと駆け上がっていきます。
頑張り屋の模範です
たくさんのベッドタイムストーリーズを聞かされて育ったボビーが、そのお母さんの教えと、持ち前の豊かなスピリットから後押しされてだろう
決然と黒人差別に立ち向かうシーンが、その表情がまたいいんだ。
これ、エルビスもやっていて=共演の黒人ピアニストを断るなら俺もステージは断る、と。
模範ですね。
この少年時代の本人がたびたび現れてボビーと語り合い、彼の人生の深さをドラマの中で上手く導いて、我々に魅せてくれるのです。
ダンス! そしてその歌声!
カメラも秀逸。テンポ抜群。
構想10年。脚本・監督・主演、ボビー・ダーリンを演じるケビン・スペイシーの、ボビーへのリスペクトの熱さには圧倒されます。加えて
頂点に君臨する稀代のエンターティナーを、遜色ない才能で再演して演じ得るアメリカのショービジネス界の人材の物凄さよ。
(これは同じく吹き替えなしのベッド・ミドラーのROSEでも感じたことでした) 。
驚くべき芸達者ぶりに、もう開いた口がふさがりませんでした。
それにしても
なんとムーディな初夜のベッドだろう💕
ランスロットのSword剣をその境界線に置いて
新妻への1000年の愛を誓う騎士、ボビー・ダーリン。
彼こそが模範なんですよ。
劇中で繰り返し流される「ビヨンドtheシー/ラ・メール」も、これまたなんと伸びやか。壮大で美しい歌唱。心が洗われること必至。
そして、
フラミンゴでの圧巻。ラスト・ショーです。
贅沢な夜を過ごせたなぁ・・。
僕は幸せですよ。
この素敵な映画を紹介して下さったkossyさんに
皆様、どうぞ大きな拍手を💐✨
またひとつお気に入りのミュージカルが増えてしまった
少年ボビー・ダーリンと大人のボビー・ダーリンが自らの物語を展開するという、普通の伝記映画とはちょっと違う構成。この映画を観るまではボビー・ダーリンという人物さえ知らなかったけど、タイトル曲だけは知っていた(『ファインディング・ニモ』でも流れてましたよね)。グラミー賞のみならずアカデミー賞にノミネートされたことのあるボビー。最近、多くの伝記映画が発表されているため影が薄くなってしまったけど、エンターテイメントにかける情熱、生き様という点では最も好感が持てる人物でした。
人気若手女優サンドラ・ディーと結婚、クラブ“コパカバーナ”での出演、オスカーノミネートといった華々しい成功物語のあたりでは、それほどでもなかったけど、義姉ニーナとチャーリーの家族愛に涙が止まらなくなってしまいました。その後の反戦フォークソングはちょっとヤケ気味で悲しくなったけど、ラスベガスのフラミンゴでの演奏は素晴らしかったです。
どこまで真実なんだろう?と考えてもみたけど、ケヴィン・スペイシーの思想もそのまま反映されていそう。歌も踊りも無難にこなすスペイシー。手術痕をみんなに見せてから歌わないでください。ハラハラするから・・・
にじみ出るスペイシーの愛情
見ようによっては怪作だ。スペイシーは30代後半で逝去したボビー・ダーリンを演じるには老けすぎているし、ボブ・ホスキンスが20代を演じるという無茶まである。ボビー・ダーリンが自身の少年時代と問答するという構成も見る人によってはナンセンスで不快だろう。
でも、しかし、このスペイシーのダーリンの人生への愛情は本物だ。複雑な出生による自己喪失やサンドラ・ディーへの深い想いを演じるスペイシーは似ていなくともダーリンその人だ。ナマ唄で勝負する根性と役者ぶりは吹き替えに頼った『レイ』のジェイミー・フォックスよりも素晴らしい。そんなスペイシーの愛情を見ているだけで、たくさんあるこの映画のアラも許せてしまう。
あと、ボズワース扮するサンドラ・ディー、可憐でした。互いに想い合っているのに幸せになれぬのは哀しいことです。
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