バガー・ヴァンスの伝説のレビュー・感想・評価
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天使が舞い降りる。
ロバート・レッドフォード、追悼。
このファンタジー、このマジック。
レッドフォード監督作、こんなに甘いスコアを書いたのは
レイチェル・ポートマン。
ミヒャエル・バルハウス撮影の美しいだけではない、深みもある色彩。
レッドフォード監督作にあまりないキャメラワークも楽しめる。
もともとレッドフォードは画家であったにも関わらずキャメラの動きや角度に神経質ではないが、
「バガー・ヴァンスの伝説」はゴルフコンペを題材にしているため、俯瞰撮影や空へ飛ぶゴルフボールの視点を見せるもギリギリのところでカットするなど、
なかなか憎い演出で、
コレがスッキリしないと不満の意見もあるのだろうか。
レッドフォードの監督作としては最後の傑作である。
(残念で悲しいが仕方ない。
本作以後は枯れゆく様子を記録するかのようにみえる。)
誰にでも人生に、天使が訪れる。
レッドフォード監督第2作『ミラグロ/奇跡の地』では冒頭天使である老人が荒地に舞い降り踊るが、
本作はウィル・スミス。
控えめで静かで、紳士で美しくムダがない。
マット・デイモン、シャーリーズ・セロン、ウィル・スミスの黄金トリオ!
ノスタルジーを感じます。
2000年(アメリカ)ロバート・レッドフォード監督作品。
映像も音楽も出演者も皆、美しい。
マット・デイモンもシャーリーズ・セロンもウィル・スミスも。
マットなんかレッドフォードと生写しか?って位美しく撮れている。
少しえらの張った顎と丈夫そうな歯が、レッドフォードによく似ている。
ゴルフ映画です。
レッドフォードの主演作に「ナチュラル」という野球選手を演じた映画があります。
相似したものを感じます。
名作です。
スポーツ映画で、人間ドラマ。
でも半分以上は3人のゴルファーの試合に時間を割いています。
2030年代のジョージア州サバンナ。
ジュナ(マット・デイモン)は、天才ゴルファーとしてサバンナの誇りでした。
しかし参戦した第一次世界大戦で心に傷を受けて、妻のアデールの元へ帰らず放蕩生活を送っています。
南部イチのゴルフコースを作ったアデールの父親。
そのゴルフコースも、大恐慌後のサバンナでは休眠状態。
娘のアデールは起死回生の一手を打ちます。
有名ゴルファーのタイトルマッチを企画するのです。
そこへサバンナの人はジュナの参戦を願うのでした。
ゴルフ好きの可愛い少年・ハーディも、もちろんその1人です。
そしてジュナは、ようやく重い腰を上げてゴルファーにカムバック。
美しい林と川のゴルフコース。
グリーンが目にも鮮やか。
ゴルフコースは本当に美しいですね。
36ホールを2日間。
合計72ホールも戦うんですよ。
(忘れてましたよ。)
バガー・ヴァンスとは、ジュナのキャディーを五ドルで引き受ける男の名前です。
演じるのは軽妙なウィル・スミス。
(本当にこの男は実在したのかしら?もしかしたら想像状の架空の人物かも?)
最初は調子の出ない長いブランクのジュナ。
バガー・ヴァンスのアドバイスが効きます。
スウィングを左右するのはちょっとした気持ちの揺れ。
失望から自信を取り戻し、過信してまた失望。
本当に自分との闘いです。
バガー・ヴァンスの退場シーンが素敵でした。
夜も更けて、ゴルフコースを照らすのは多くの車のライトです。
そして3人のラストショット。
失意のゴルファーのカムバック。
気持ちのいい映画です。
少年ハーディの老人になった姿をジャック・レモンが演じているのも嬉しいプレゼントですね。
レッドフォードは監督としても一流ですね。
「食わず嫌い」はよくない
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