「松田龍平の醸し出す衆道世界の妖艶さに魅惑された」御法度 浜のダイナマイトさんの映画レビュー(感想・評価)
松田龍平の醸し出す衆道世界の妖艶さに魅惑された
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松田龍平演じる加納惣三郎は、血を好み、人を斬りたいという欲求を湛え、同性である男に偏執した性的嗜好を抱く加虐性変態サイコパス。
強く粗野で男らしい新撰組隊士たちを次々と惑わし籠絡することを楽しみ、自分の変態性欲を満たすためには関係を持った男でも殺めることを厭わない悪魔的な少年。
そんな魔物の少年を演じる映画制作当時16歳の松田龍平は実に妖艶で美しい。
切れ長の流し目、白肌に蕾のような唇。身のこなしから溢れでる妖しき色香。
惣三郎は、寺島進演じる密偵の無惨な惨殺死体の胸元のグロい割創傷を見て、性的恍惚の表情を浮かべていたし、女遊びを覚えさせようと島原の遊郭へ連れ出そうとするトミーズ雅演じる山崎監察には色仕掛けをして反対に誘引しようとするなど、まさに恐るべき魔性の美少年である。
話は逸れるが、晩年の大島渚は戦場のメリークリスマスといい、この御法度といい、男色に傾倒していたのだろうか。
一方で戦場のメリークリスマスに続いて御法度に出演したビートたけしの土方歳三、その凄みのある迫力は実にカッコよかった。
正直に言ってこの映画を観て自分も衆道の妖しさに幻惑されてしまった。
破滅してもいい。加納惣三郎のような若衆に出会いたいとも思えるようになってしまった。
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