「追悼・大島渚」御法度 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
追悼・大島渚
新撰組に絶世の美少年が入隊した事で渦巻く愛憎劇。
周知の通り、大島渚最期の作品。
この作品が公開された1999年から翌2000年は久々に時代劇が相次いで作られ、プチブームになった事を記憶している。「梟の城」「雨あがる」「どら平太」…
中でも異彩を放っていたのが、この「御法度」だ。
新撰組を題材にし、同性愛を描く。
初めて見た時は取っ付き難く、拒否反応さえ感じた。
しかし、何度か見るにつれ、不思議と魅了されていった。
意味深な内容、耽美的な映像、耳に残る坂本龍一の音楽、独創的なワダエミの衣装、そして異色のキャスティング。映画監督の崔洋一、ビートたけし、若手注目株だった浅野忠信、武田真治、とりわけこれがデビューとなった松田龍平の妖しさ。
いずれも忘れ難い。
この映画を劇場で見れて良かったと、今思う。
後にも先にも唯一劇場で見た大島渚作品。
世の中へ挑戦的な映画を撮り続けた大島渚。
もし病を克服していたら、今、どんな映画を作っていただろう。
残念でならない。
合掌。
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