青い春のレビュー・感想・評価
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「クラッシック!!!」
再上映決定の告知を知ったのは旅先の列車の中
思わず列車の中で「やった!!」と叫んでしまうくらい嬉しかったです
リアルタイムで映画館で観ていなかった作品
初めて観たのは、多分レンタルDVD
すぐにネットでDVDを買って
なんかこうつまんない時とか
気持ちが沈んだりした時に繰り返し観てきた作品
今日初めて映画館のスクリーンで観てきました
冒頭のジェット機とあのイントロでやっぱり涙
いろんなシーン
いろんなカット
どれもこれも全て愛しい
そして美しいと思う
登場人物それぞれの青春
そしてそれを観ている自分の青春を思う
良く語られるのは、出演している俳優のプロフィール
「あの人もあの人も出てます」
そんなことはどうでも良いの
彼らの若い頃に思いを馳せる余裕はないの
ひたすらあの天国に入り込むの
重く苦しく切ない映画です
泣いた後ってプールに入った後みたいに疲れるよね
でもなんだかスッキリするよね
長かったこの夏の終わりに観られてほんとにうれしかったです
幸せなら手をたたこう
2002年の公開作品。
若い松田龍平の色気と新井浩史の危うさが
画面全体に散りばめられている。
男性が同じ男性に持つ嫉妬と複雑な
気持ちを、粋がる学生が分からなくなり
突き進んでしまう。
幸せなら手をたたこうが皮肉にも感じる。
あの荒れた学内と生徒は懐かしい。
ミッシェルガンエレファントの音と
映画内容がきっちりはまっていた。
他校の女子高生が彼氏待ちで正門に
現れ、中々相手来ない。
男子生徒達が大きく手を振るシーンが
面白く印象的。
尖り過ぎだけど、尖ってる時もあるよね。
青木に気付けたか
九条の進路がどうなっていくのかばかり追うように見入ってたのに思いもよらない青木の行動で物語が終わり、俺には青木をどうすることもできなかった現実を突きつけられて苦しくなった。あの最後の瞬間ようやく青木が暴れる魂を孕んでいたこととそれの正体をすこし知った。ベランダゲーム終わりに振り返ってみせた顔、机の絵はなんだと聞いても答えてくれず冗談めかしていた顔、黒板に靴を蹴飛ばし見向きもされず固まったときの顔、いろんな顔を回想し後悔でいっぱいになる。何をどうしようとしてもどうにもならないどころか、九条からよりかけ離れた存在になっていく実感が常にあったであろう散髪以降の青木の心がほんとうにいたたまれない。最後の最後まで青木は九条に応答を求め、ようやく気づいたころには遅かった。ほんとうに悲しくて仕方ない。無視してたわけじゃないんだけどな。
誰もが経験して、経験しなかった高校三年生。夏。
多くのBGMやエンディングテーマで使用されているthee michell gun elephantが好きで、原作を読んで、観たい観たいと思いながらやっと鑑賞
俳優各々に若いなぁ〜と思うのは皆そうだと思うので置いておいて。
何かを成そうと思いながら、遠そうですぐそこに迫った将来を手探りで考え、悩みながら暴力や目の前のスリルに感情をぶつける毎日。男子校でいわゆる不良達のある"非"日常がテーマではあるが、その苦悩や絶望に共感し、そこに青春性を見出すことが出来る人は多いのではないだろうか。
主人公である九條の表情は虚ろで、どこか純粋で。最後には突き動かされる感情には音楽も相まって感動した。
幸せは求めていて、それは自覚している。それでも破滅的に行動してしまうのは幼なさではなく純粋が故なのかなと思った。
花
しゃらくせえなと思いながらも最後まで見てしまったのは松田龍平の色気ゆえか新井浩文の危うさゆえか。俺の地元の高校もあんな感じで、窓が割れたりうるせえ野球部の先輩が来たり露骨なヒエラルキーがあったり、話を聞く限りじゃ「バカ」の一言で片付けられそうなところだったけど、こうやって蓋を開けてみれば鬱屈とした文学青年で溢れかえった進学校ともさほど変わらないのかもしれない。そこにはホモソーシャル的な友情があって、どうしようもなく個人的であるがゆえに息の詰まるような葛藤があって、そして死の予感がある。立場や経路はどうあれ多くの若者が最後に辿り着いてしまう、それが青春という名の袋小路なんだろう。ところどころに誇張があるにせよ、俺は本作をけっこうリアルな映画なんじゃないかなと思った。ただ、俺はやっぱりフィクションとはいえ若い人間が青春の蹉跌に蹴躓いてそのまま死の淵に転がり落ちてしまうのを見たくない。就職できなくても夢が実現しなくても甲子園行けなくても死んでほしくない。だから俺は校庭の花に全てを賭けていたし、それが無に帰したとき本当に落ち込んだ。映像の美しさに惑わされて言葉を慎むのはやめよう、だから敢えて言おう。俺はもっとどうにかなったんじゃないかと思う。
【”鈍く輝く、黒ずんだ青春・・。”鋭利な雰囲気を漂わせる美しき松田龍平VS不穏な男、新井浩文。随所で流れるTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのナンバーが作風を盛り上げる。】
ー 松本大洋原作の映画としては「ピンポン」が好きだが、今作も原作同様にインパクト溢れる作品である。
短編集「青い春」の”しあわせなら手をたたこう”をメイン軸に””夏でポン!””ピース”の印象的なシーンを絡めて、豊田利晃監督が、ダークでヴァイオレンス&倦怠感溢れる原作の魅力を上手く映像化している。
随所で流れるTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの激しいロックンロールナンバーも効果的である、と思った作品。 -
・役者としては、今よりももっと鋭利で冷たい雰囲気を「御法度」に続き、醸しだしている美しき松田龍平と、今作後もずっと不穏な雰囲気を纏っていた、新井浩文が図抜けている。
- 新井浩文は、罪を償い映画界に戻って来る日がいつか、来るのだろうか・・、とあのラストシーンを見て思ってしまった作品でもある。-
邦画史上に残るラストシーン
あのラストシーンは圧巻だった。
あのインパクトと、疾走感。テンポの良さ。楽曲。素晴らしい。
キャラクターの魅力がすごかった。
松田龍平演じる九條。あの年齢でしか出せない繊細さと、透明感。純朴さ。そんでたまに狂気的に魅せる目。凄まじい・・・。
個人的なお気に入りシーンは、トイレの個室内での雪男と木村。
雪男、マジかっけえ。つええ。なにあいつ。
行き過ぎた0か100かな感じが堪らなくサイコで、鬱屈としてて、木村がまた真逆の阿呆だから、ああなるのも頷けるというか、むしろやったれって思った。
先生の一言が無性に響くね。
「花は咲くものです。枯れるもんじゃない。私はそう思うことにしています。それは大切なことです。」
わたしはどう思うことにするかな、と人生を考えるよね。もう高校生を過ぎた私的には、枯れることも含め、花だと思うことにしたいです。
また、あの先生が言うから余計にずしんとくるものがあるのよね、説得力というか。
青春の亡霊
もう何度も見ている。見過ぎてセリフを先回りして言えるほど。
この映画と初めて出会ったのは二十歳の時。それからもうまた20年ほど経とうとしている。
改めて見ると、本当に役者陣皆若く、まだ道行の決まっていない顔をしている。
青木の事をどう思うか。それが私にとって、年を重ねる度に踏み絵のようになっていく。
最初に観た時には、正直言うと友人を殺してしまった雪男、ヤクザになる木村、受験勉強を始め出す九條。それぞれが一応進路を決めていくことが私には緩やかな自殺に見えた。
その中で「今」の為だけに死んだ青木こそが一番生きていたのではないか、そう思った。
しかし、年を重ねると自分の将来に見切りをつけ、絶対に忘れられない形で九條の中で生き続けようとした青木はずるくも感じる。
青木は青春の亡霊になったのだ。青木の手によって屋上にまるで焼き付けるかのように書かれた影。九條に永遠につきまとう影。
…ずるくも感じる?本当にそうだろうか?
夕方から夜になりそして朝が来る。あの屋上にいた長い時間、そしてフェンスを握りしめた青木の手。
開き行くチューリップ。揺れる桜。群れる蛇口。かつてサッカーをした校庭。
自分の黒い手形をつけた顔を決意で引き締め行う独りぼっちの手叩きゲーム。
ああとしか生きられなかったし、ああとしか死ねなかった。彼はやっぱり、生きるために死んだのだ。
青木は囁く。今もなお。私は九條じゃないから、その声に耳を傾ける必要なんて無いことは分かってる。でも、囁きは続く。
「俺も連れて行ってくれよ、な」
私は青木を連れて行かなければならない。青木の落下を忘れられないなら、私は青木の落下に恥じないように生きなければならない。
ミッシェルガンエレファントの曲がたまらなく恰好いい。とりあえず、私に一番響いた青春映画である。
なんで評価が高いのだろう
初めて嗚咽して泣いた映画です
"しあわせなら手をたたこう"
ファルコン高校?の"KEE"こと渋川清彦が最高、そして大柴裕介がシブくて鬼丸との場面も最高、役者を辞めてしまったのが残念。
松本大洋のシュールな短編集を原作に、劇的なエンディングをむかえる豊田利晃の映画監督としての手腕と"THEE MICHELLE GUN ELEPHANT"の「ドロップ」が効果覿面である。
"ミッシェル"の曲が映画で使われたのってショーケンの「JOKER 疫病神」と本作だけ?
まぁ、他の映画で使うのは難しい限りで!?
高岡蒼佑は「クローズZERO」より断然「青い春」での不良役の方が素晴らしいし、新井浩史のコミカルな存在からダークな感じに変貌する演技が良かった。
豊田監督の演出によって皆、素晴らしい魅力を発揮している若き初期衝動、中でも松田龍平の存在感はピカイチで異端な輝きを放つ。
マメ山田が"雪男"を追いかけるシーンに萌える。
奇跡みたいな瞬間が切り取られている…!
危うさと残酷さと痛々しさと、圧倒的な美しさ。
若さとはなぜこんなに美しいんだろう。
そしてそんな奇跡みたいな美しさが凝縮された作品だった。
まず九條を演じた松田龍平のすさまじい美しさ…。
言い表したくても言語化できない…。
当時の松田龍平の美しさを余すことなく切り取ったというだけでもこの作品はある意味伝説である。
松田龍平だけじゃなく若い新井浩史も高岡蒼甫も瑛太も忍成修吾もみんな美しい。若さってそれだけで一種の芸術だ。
あと高校生という、大人に羽化する前の儚く危うい年代の美しさ。開花寸前のつぼみの花のような美しさ。「自分はこれから何になるんだろう」と模索する人間の美しさ。止められない時間の儚さ、命の儚さ。儚いゆえの美しさ。
あと九條と青木の関係の切なさと美しさ。
青木は九條と後半に向けて対立してだんだん孤独を深めていくけど、青木はずっと九條に対等な相手と認められたかったのだと思った。九條は九條で、かつて自分をドッジボールに誘ってくれた頃の青木を求めていたのかもしれない。自分を番長として立てる存在じゃなかった頃の昔の青木を。
そう思うとラストのあの結末むちゃくちゃ切なすぎる…。劇中、だんだん独りで真っ黒に染まっていく青木が苦しすぎた。一晩中青木は屋上から下を見下ろして何を思っていたんだろう。13を数えて落ちていった時何を思っていたんだろうか。
2人の関係は原作が同じ松本大洋さんの作品「ピン★ポン」のペコとスマイルに通じるものがあるなと思った。(この関係も最高)
あと不謹慎だけどあのシガレットキスはすごくグッときた…。
九條と青木に限らず、変わっていかずにはいられない彼らの関係が切なかった。集合写真を撮っていた頃のままではいられなかった彼ら。大田は悪い先輩とつるみ出して幸男と一緒にギターを弾くこともなくなり、幸男は自分の将来に追い詰められて大田を刺して逮捕され、木村は野球に見切りをつけて学校から去っていった。
どんどん変わっていく彼らがどうしようもなく切ない。
九條にとっての楽園は楽園のままではいられなかった。
あと素晴らしかったのが上田ケンジさんの劇伴とミッシェルガンエレファントの楽曲…。
冒頭の「赤毛のケリー」に鳥肌が立ち、終盤の「ドロップ」が流れて九條が走り出した時は心が震えて涙が出た。「ドロップ」という楽曲はこの映画そのものだと思えるくらい合っているしエンドロール観ながらひたすら涙出た…。
耐性のない人間にはエグい暴力シーンが結構辛いんだけど、音楽と登場人物、映像すべてが美しくすべてが奇跡のバランスでできた作品だった…。
久しぶりに見たら
キャスト凄!!当時は衝撃的でセンセーショナルな印象を受けたが、今見ると取るに足らない、というかストーリーが全くない、伝わってくるものがない映画。結局何?2人の友情物語?青春だねーってこと?同級生を殺した高岡蒼甫と、他校の渋川清彦は最高に意味がわからなかった。てかこの高校終わってる。。屋上の手を叩くシーンは鮮明に覚えていた。
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