「ずっと前からお互いを知っていた2人」アメリ greensさんの映画レビュー(感想・評価)
ずっと前からお互いを知っていた2人
医師の父親の勘違いから、小さい頃から人と関わらない生活を送り、周りの人達や出来事を観察したり、空想の世界を楽しんで生きてきた主人公アメリ。
そんなアメリがある日、駅の証明写真撮影ブースでニノという青年と出会い、恋します。
ニノはポルノショップで働く、こちらも風変わりな青年。ポルノショップで働いているのに、まるで本屋か何かで働いているかのような雰囲気で、とてもピュアな心の青年です。
これまで向き合う人といえば両親だけだったアメリにとってニノへの恋心は、地球に隕石が落ちたくらいのインパクトを与えたはずですが、アメリはニノが自分にとって運命の相手であることを魂でしっかり感じ取ります。
そしてニノの存在を知ったころからアメリは徐々に、自分の世界に閉じこもらずに、外の世界に関わって行こうとし始めます。自分の世界から飛び出さなければ、大好きなニノと出会うことは叶わないのだから、全人生が掛かってます笑
アメリが外の世界に出て人に関わってゆく手法は、
それはそれは独特!周りにいる、元気のない人達を元気づけたり、幸せな気持ちにしたり、時には意地悪な八百屋の店主を懲らしめるために、イタズラを次々と仕掛けてゆくのです。
アメリが仕掛ける数々のイタズラは、アメリが運河で投げる石のように、狙ったどおりの軌道をたどるものもあれば、予想外のドタバタを登場人物間で引き起こしたりします。
アメリの周りの人達の心が、彼女が仕掛けるイタズラで柔らかくほぐれたところで(カチコチ?に意地悪で固まった八百屋の店主も、アメリのお仕置きに懲りて、少年だった頃の心に戻ってたらいいなぁ〜)、、、果たしてアメリとニノはちゃんとお互いに出会えるのか!?
と、あれこれ書いてきたところで。
本件レビューは「ネタバレあり」とさせて頂いているとおり、ここまで書いたらもう結果はバレバレだとは思いますが笑笑、、、ハッピーエンドの映画というのは何度見ても、見る人をハッピーな気持ちにしてくれます。
かくいう私も、なんと、この作品を見るのは20年ぶりくらいです(!)
ちょうど世の中が今日はバレンタインデーでしたので、個人的に思い出深いラブストーリーをDVDで見直して、ほっこりしました。
作中のセリフに、「ふたりはずっと前からお互いを知っていたのよ」というようなセリフがあったかなと思いますが、そういう相手と人生の中で出会える幸せを、この映画はたっぷりと味合わせてくれます。
以前はフランスは、男性も女性も、40歳になっても、50歳になっても恋(アムール)に生きる!というイメージがありましたが、最近も同じなのでしょうか。
実際の状況は分かりませんが、少なくともアメリとニノは、いつまでも寄り添って宇宙を運行する2つの星のように「今会ったように思っても、実はずっと前に出会っていて(前世かも?)、これからも寄り添って生きていく、まさに運命の相手同士」という感じがしました(こういう出会いはあると感じます!)