「輝きそのもののような作品」アメリ 白波さんの映画レビュー(感想・評価)
輝きそのもののような作品
プライム・ビデオ鑑賞プライムをパラパラ捲っていたら目に飛び込んできたトトゥの笑顔。そう「アメリ」です。
このアートワークは今見てもすごい引力がありますね、吸い込まれるようにクリックしてました。
何でしょうか、この子どもの頃遊んだおもちゃを発見したかのような気分は。ワクワクが止まりません。
まず冒頭のエピソードの描き方が見事、このたった何分かで一気に物語に引き込まれます。
美しい絵作りと音楽と愛くるしい人たち。
カットも緻密で凝られており、ビビットな色彩が美しい。
ふと見つけた宝箱から動き始める、それまで篭っていた自分の世界から外に出ようとする物語。
主演オドレイ・トトゥの悪戯な笑顔が頭から離れない、何度観てもワクワクする作品です。
彼女の妄想癖の演出がとても可愛らしく、排水溝のプロンプターなんて何てふわふわとしているのだろうか。
他人との距離を縮めるのが苦手な彼女なりのアプローチが実に微笑ましく、その焦った仕草さえも愛おしいんですね。
何度も挫けそうになりまながらも、周りくどい位少しずつ前を進んで行くアメリ。
「人生にぶつかっても大丈夫だ」その言葉に背を押され外へ進んで行く様は、とても胸を打たれます。
冒頭にある彼女の楽しみの一つ、“ブリュレの焦げを割る”は“自分の殻を割って外の世界に出たい”といった比喩だったのかもしれませんね。
ジュネといえば「スピヴェット」以来ご無沙汰ですが、久しぶりに新作も観たいものです。
もう何年ぶりに観たのかもよくわからないですが、今観ても全く古さを感じさせない、輝きそのもののような作品でした。
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