「善悪ではなく…」アレキサンダー ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
善悪ではなく…
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ラスト、アンソニー・ホプキンスが語った様に、アレキサンダー大王は人種の融合、調和を標榜していたが、結果的には異人種の征服・支配をしに東征したわけである。しかし、普通なら十分な富、権力を手に入れ、世界の果てまで自らが遠征する必要はなく、安穏と暮らしたいと思う。それは偉大な父、母に辛く当たり、憎らしいと思った父に対しての意地、父を超えたい、自らが神話となりたいという自己顕示欲から来たものだと思う。故郷を離れ、美しい都バビロンも後にし、長年慣れない土地で戦い続ける、この原動力は凄まじいし、アレキサンダー大王と語られる、由縁だ。父もそうだが、権力者は咎める者を排除し、やがて周囲はイエスマンばかりになり、余計に周りが見えなくなる。栄枯盛衰は世の常。古くから共に戦ってきた家臣たちの言うことを聞いていればとも思うが、この強引さこそが歴史を作った要因だろう。長かったが、見ごたえはあった。
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