五月の七日間のレビュー・感想・評価
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米ソ冷戦時代のポリティカル映画
ジョン・フランケンハイマー監督が描いた米ソ冷戦時代のポリティカル映画🎥
脚本が、あのロッド・サーリングなので期待し過ぎたか、自分には「もうちょっと登場人物を減らして、スッキリしたかたちにして欲しかった」という映画に見えた😅
登場人物が多すぎて、著名スター(バート・ランカスター、カーク・ダグラス、フレドリック・マーチなど)の立ち位置は分かるのだが、途中から「この端役はどっちだっけ?」状態になってしまった(^^;
大勢に影響はないレベルかも知れないがスッキリ感よりもモヤモヤ感が残る感じだった。
およその物語は、アメリカ大統領(フレドリック・マーチ)がソ連と締結した核軍縮条約に対して、長年ソ連を敵視してきた人たちには「このままではソ連に滅ぼされる」という懸念が起こり、将軍のバート・ランカスターは軍部を率いて密かにクーデター計画を進める。こうした動きを察知した大佐カーク・ダグラスはクーデター計画を大統領に伝えたことから、双方が秘密裏に相手の動きを探る物語となっていく。
本作は、大半が男だらけの出演者だが、紅一点として登場したエヴァ・ガードナーもオバサンに見えてしまって昔の色っぽさは消えた感じ。
それなりに楽しめた映画ではあるが、細部までキッチリ把握するにはリピート鑑賞が必要な気がした。
軍事クーデターが他人事ではない日本の政治状況では…
「大列車作戦」や「グラン・プリ」の作品で、
本物感を魅了させて頂いた
ジョン・フランケンハイマー監督が
その前に手掛けていた作品で、
これも私にとっては幻の映画だったが、
レンタル出来てようやく観ることが出来た。
因みに、この作品は
公開1964年のキネマ旬報ベストテンで、
「山猫」「シェルブールの雨傘」
「博士の異常な愛情」「マイ・フェア・レディ」等の名作がベストテン外で
名前を連ねている中での第13位。
順位以上に専門家から非常に高い評価を
受けた作品だったことが窺える。
さて、このストーリー、
背広組と制服組の対決は
キューバ危機の際のアメリカ政府内の
遣り取りを思い出させたが、
アクション要素をことごとく排除した中で、
それぞれの陣営の布石が絡み合う
本物感溢れる展開に、
格段の緊迫感をもって観ることが出来た。
また、この作品でも「博士の…」同様、
核戦争への恐怖も語られ、
大統領が核攻撃のボタンの入ったカバンを
常に持ち歩くプレッシャーから
「医者は私の血圧よりも正気を心配すべきだ」
と側近に語る場面は、
地球滅亡と常に隣り合わせにいる恐怖を
改めて認識させられた。
この映画の巧妙なところは、
ラストシーンでの大統領のスピーチに
要約されているが、
あの民主主義大国アメリカに
軍事クーデターの可能性が?
と話を展開させて、
最後は政治の安全装置が働いて、
米国民主主義の健全さ・偉大さを
アピール出来ていることではないだろうか。
しかし、実際にそんなクーデターまがいの
事態が発生したらと想像すると
非常に恐ろしい内容だ。
日本ではそんなことは、と信じたいが、
この度の国政選挙でも与党の圧勝という
政権交代の可能性など全く考えられない
結果から、
緊迫感の無い政治体制が続くことにより、
よもや日本でも
このような動きが出てこなければと
心配がつのる鑑賞になってしまった。
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