劇場公開日 2002年11月23日

「【雪に閉ざされた大邸宅で起きた殺人事件を描いたサスペンス。予想の遥か上を行くミュージカルテイスト&コメディ要素を絡めた作品にフランソワ・オゾン監督が仕上げた女性の恐ろしさを絡めた作品でもある。】」8人の女たち NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【雪に閉ざされた大邸宅で起きた殺人事件を描いたサスペンス。予想の遥か上を行くミュージカルテイスト&コメディ要素を絡めた作品にフランソワ・オゾン監督が仕上げた女性の恐ろしさを絡めた作品でもある。】

2023年9月7日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

難しい

■1950年代のフランスの田舎町。
 クリスマスを祝うため大邸宅に家族が集まっていた。
 だが、メイド・ルイーズ(エマニュエル・ベアール)が一家の主・マルセル(可哀想に顔は映されない。明らかにオゾン監督の意図であろう。)の寝室に朝食を持っていくと、マルセルは背中を刺されて死んでいた。
 警察を呼ぼうにも電話線は切られ、外は大雪で車も動かせない。

◆感想

・設定自体から、本格サスペンスを期待するところを、フランソワ・オゾン監督は軽やかに超えていく。
 ー 何しろ、カトリーヌ・ドヌーヴ、エマニュエル・ベアール、イザベル・ユペール、ファニー・アルダ達が、歌って踊るのである。
   ビックリである。特に“イエケテナ変な眼鏡”姿のイザベル・ユペールがピアノを弾きながら歌うシーンは新鮮であったなあ。-

・8人のマルセルと関係する女達が疑心暗鬼になりながら、お互いの過去の罪を暴く姿の美しいのだが、醜い姿・・。

<あの真実のシーンは、マルセル自身の周りの女達の”醜い姿”に絶望した事なのだろうな。
 そして、その彼に細工をする女性達の姿。
 フランソワ・オゾン監督は自らクイアとは言っていないが、女性の醜さに焦点を当てた作品である。
 それに応えた女優陣の演技も見事な作品である。>

NOBU