「エマニュエル・ベアール」8人の女たち kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
エマニュエル・ベアール
大雪のため閉ざされた屋敷。長女シュゾンが帰ってきて事件は始まる。最近では珍しいくらいの一族だけの密室劇。前半はそれぞれの8人の女が全て怪しく思え、嘘をつかぬようにと真実を話し出す展開となる。主人マルセルを中心にカミングアウトのオンパレード。途中、ミュージカル仕立てにする演出が殺人事件というおどろおどろしさを包み込み、金や愛人がらみの陰湿な裏側をコミカルに表現する。複雑な人間関係を考えるオゾンもすごいが、女優それぞれの演技で違和感なく華麗に見せてくれた。
オゾン監督にしては珍しくヌードもないが、エマニュエル・ベアールやヴィルジニー・ルドワイヤンが若いエロスを放出。全員が主役であるかのように女優たちが自己主張する様が面白いけど、ちょっと性格が似ているかな~と感じるところがマイナス。オゾン監督には、このようなシリアスにはならない遊び心を感じる映画をこれからもたまに作ってもらいたいものだ。
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