「70年代を代表するキビキビしたスパイスリラー」コンドル(1975) 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
70年代を代表するキビキビしたスパイスリラー
クリックして本文を読む
ソダーバーグ監督『アウト・オブ・サイト』でも劇中の会話でネタにされていたスパイスリラー(ジェニファー・ロペス扮する捜査官曰く「あんな状況ですぐに恋に落ちるなんてありえない」)。原作は「コンドルの6日間」だが映画化にあたって3日間に刈り込み(原題は「コンドルの3日間」)、罠にはめられたCIA分析官(スパイではなく本を読むのが仕事)の必死のサバイバルがノンストップ展開で描かれていく。
現代ならオタクキャラ要素が強調されそうな主人公も、二枚目スターのレッドフォードが演じているからか、わりとシゴデキキャラという印象の方が強く、荒事は素人だけに頭脳で解決していくと思いきや、中盤以降は結構な有能スパイ&アクションスター感が出てくるのはご愛嬌として、確かに恋愛がらみのところは今の感覚で見るといささかムリはある。
むしろシドニー・ポラック監督とレッドフォードの名コンビとしては、アクションスリラーの体裁を借りて、ラストの込められた反権力のテーマ性を打ち出したかったように感じられる。フリーランスの殺し屋として存在感を発揮するマックス・フォン・シドーが儲け役。
コメントする