「ほどよい「おとぎ話感」が◎」コントラクト・キラー Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)
ほどよい「おとぎ話感」が◎
1990(日本は1991)年公開、フィンランド・スウェーデン映画。
【監督・脚本】:アキ・カウリスマキ
【原作】:ペーター・フォン・バッグ
主な配役
【アンリ・ブーランジェ】:ジャン=ピエール・レオ
【マーガレット】:マージ・クラーク
【殺し屋】:ケネス・コリー
1.コメディ > ラブロマンス > サスペンス
主役の俳優さん、どこかで見たことあるな、と思ったら『大人は判ってくれない』の彼なんですね。
淡々とした演技がなおさら感情の揺れを表現していて、
ローワン・アトキンソンを思い出したり(笑)。。。
クビを言い渡されるまでセリフがなかったので、
そういう映画なのかな?
なんて思いながら観てました。
シリアスな映画かと思いきや、
細かな笑いが随所に仕込まれていて、ゲラゲラ笑い場面こそ無いものの、何度もクスリと笑わせていただきました。
たとえば、、、
◆もらった金時計?がたった5ポンド(当時で1200円くらいかな)だったり。
◆絶妙なタイミングでガス会社がストを始めたり。
◆コントラクト・キラーを雇うため訪れたバーの名前が「Honolulu bar」だったり。
◆そこで突然叫びだしたり。
◆パブで紅茶を注文したり。
◆急にヘビースモーカーになったり。
◆マーガレットの部屋、花瓶のバラが全部枯れかけており、後になってその花瓶で殺し屋を殴ったり。
◆ハンバーガー屋で厨房に入ってたり。
◆殺し屋に娘がいたり。
きりがないので、このあたりで。
2.好きなトーン
なぜか、私はこの手のトーンの作品が好きで。
まったく方向性は違うのだが、アラン・ドロンの『サムライ』とか、陰な画面を観るほど惹き込まれてしまう。
あと、ザ・クラッシュのジョー・ストラマーがパブのシーンで歌を披露していたのも高評価。
ちょい役だが、家主役のアンジェラ・ウォルシュの気だるそうな雰囲気も妖しい感じで◯。
3.まとめ
フィンランドとスウェーデンによる映画だが、なぜかイギリスが舞台。しかも、主役はフランス人。
ヒロイン役はド派手な化粧の金髪女性。
殺し屋は末期がん。
まるで、舞台演劇かコントを観てるような設定だが、
それはそれで、「おとぎ話感」があってとても良い。
また観たくなるだろう、という☆4.5