「リチャード・ドナー監督のソリッドな職人芸」16ブロック バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
リチャード・ドナー監督のソリッドな職人芸
歴史に名を残したりしないし、すごくお金がかかってるわけじゃないけれど、ちゃんと楽しませてくれるアクション映画。ストーリーはシンプルで、ブルース・ウィリス演じる刑事が証人の護送で犯罪組織に狙われながら16ブロックを移動しないといけない、というもの。なんなら『ダイ・ハード』シリーズの一遍になってもおかしくないが、もっとこぢんまりとしている。むしろイーストウッドの『ガントレット』のバリエーションで(近年では似た雛形を現代版のアレンジした『マイル22』も生まれてる)。シンプルなジャンル映画をベテラン、リチャード・ドナー監督がキビキビと撮っていて、決してエッジなところを攻めてるわけではないし、特別感はないのだが、ちゃんと面白く仕上げてくる職人技に惚れる。「2000年以降のウェルメイド映画大特集」があれば選ばれそうな、ストイックで愛らしい娯楽作。
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